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なぜ、私たちは「Yakult1000」が欲しくなるのか? 自分をいたわるためならいくら出してもいい

東洋経済オンライン / 2024年2月19日 11時40分

疲れ気味の現代人を救う、あの大ヒット商品が「売れた理由」をご存じですか(写真:編集部撮影)

ここ数年の社会情勢・生活スタイルの変化によって、「自分自分をいたわる=メンテナンスする」という共通項を持った商品が軒並みヒットにつながっています。本稿は、インフレ下におけるヒットの新法則のうちの重要キーワード「自分メンテナンス」について、『高くてもバカ売れ! なんで?』よりご紹介します。

自分メンテナンスしてますか?

あなたは自分のカラダとココロをいたわっていますか?

ストレスフルな世の中で、老若男女問わず、誰もが何かで疲れています。人間にもメンテナンスが必要になってきました。

メンテナンスとは、「維持」「持続」「保守」「保全」などの意味をもつ英語です。一般的には機械・建物・システムなどの設備で使われることが多いですが、「人間」にも使うようになりました。

最近は自分メンテナンスのためなら、多少高くてもお金は出すという人が増えています。コロナ禍でその傾向に拍車がかかりました。

あなたの会社の商品も、「お客さんのカラダとココロをいたわる」という視点で開発・訴求・販売すると「高くても売れる」という可能性があるということです。

とくにステイホーム期間には、健康の基盤となる「睡眠」を改善したいというニーズが高まり、さまざまなヒット商品が生まれました。

まずは、その代表と言えるくらいの大ヒットを記録した「Yakult1000」から見ていきましょう。

「Yakult1000」とは、“ヤクルト史上最高密度”という1本(100ml)あたり1000億個の乳酸菌シロタ株を含み、腸内環境の改善に加えて「ストレス緩和」「睡眠の質向上」の機能が報告されている機能性表示食品です。

近年の研究で「腸と脳との関係」がホットトピックとなっていることに着目。「腸内の健康を保つことがストレス改善につながるのではないか」という観点から、新商品のコンセプトを組み立てました。

先進的な大人向けのYakultへ

さらに研究の結果、乳酸菌シロタ株の密度が上がると、睡眠の質の改善につながることが判明しました。そこで、主力商品である「Newヤクルト」(1本65mlに200億個)や「ヤクルト400」(1本80mlに400億個)よりも密度の高い、100mlに1000億個の乳酸菌シロタ株を入れることにしたのです。

さらに、これまでのヤクルトとは異なる「Yakult1000」の価値を伝えるために、既存のものとはまったく違う商品開発を実施しました。それは以下のようなものです。

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