キューバ「オーガニック大国」になった意外な経緯 大国に振り回される中、たどりついた農業
東洋経済オンライン / 2024年2月19日 16時0分
日本でもオーガニック食材を扱う店はめずらしくなくなってきた。が、世界を見渡すと日本はこの分野においてはまだ後進国。一方で、意外なほどオーガニック農業が進んでいるのが、カリブ海に浮かぶ島国、キューバである。
世界の台所探検家として、世界の家庭を訪問しながら、それぞれの食の社会的背景を研究する岡根谷実里氏の『世界の食卓から社会が見える』からキューバがオーガニック農業大国になった経緯を紹介する。
意外なオーガニック農業先進国
オーガニック農業といったら、どんな国を思い浮かべるだろうか。
オーガニック農業は有機農業とも呼ばれるが、化学的に合成された肥料や農薬を使わず、農業生産と生態系との調和を図る農法のことだ。世界の国々の総農地に占めるオーガニック農地割合上位国を見ると、やはり想像通りというか、ヨーロッパの国々が並ぶ(世界平均は1.6%のところ、EU平均は9.1% )。ヨーロッパでは、健康や環境や資源循環への関心から、オーガニック農業への関心は年々高まっている。ちなみに日本は0.3%でケタが違う。
しかし、「オーガニック農業はヨーロッパで普及しています」という話では、おもしろくない。ここでは、統計に出てこない意外なオーガニック農業先進国「キューバ」に注目してみたい。
キューバは、中南米に位置する、カリブ海に浮かぶ島国だ。空港に降り立つと、熱い風とヤシの木に迎えられる。日本の本州の半分ほどの国土に、東京の人口よりやや少ないくらいの人々(1100万人)が暮らしている。
日本人にとって馴染みのある土地でも、旅行ランキング上位に上がってくる国でもないけれど、一部の旅人にとっては憧れの場所で、「古き良き」という枕詞をつけてしばしば語られる。クラシックカーにコロニアル建築にチェ・ゲバラ、というのがその人たちの口から出てくる言葉だ。
私がこの国を訪れたのは、2018年秋。そんなのは作られたイメージだろうと思っていたのだが、首都ハバナの市街を歩くと、本当に1950年代のクラシックカーが走り、パステルカラーのコロニアル調の建物が並んでいた。
70年前で時が止まったような風景は、つい写真に収めたくなる。その中を歩いていると、ブロック塀の落書きやみやげもの屋で革命家のチェ・ゲバラの顔を見る。高校の社会科の教科書で見かけたようなおぼろげな記憶しかないけれど、ここが彼の土地だったか。
2週間家庭に滞在して見えた「台所事情」
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