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「休日はすべて有給」驚きの社員のモチベアップ法 話題の2代目社長の「人を大切にする経営」哲学

東洋経済オンライン / 2024年2月23日 6時50分

ルールや決まりごとはなるべく大枠だけにして、その中は自由にしてあげる。個人のモラルに委ねるわけです。これが上手に回ると、会社経営はラクになります。

中小企業が大企業の真似をして失敗しがちなものの一つに定年制があります。

60歳になって急に能力が落ちるわけではないのに、待遇面を落としてしまう。すると当然、社員のモチベーションは下がり、転職をしてしまう。その結果、技術承継ができなかったという話をよく聞きます。

そもそも定年になったら「年金があるんだから、給料は少なくてもいいでしょ」ということにして、会社が社員を安く使う理由にしてしまっていると私は考えています。

しかし、給与というものは基本的にその人の働きに応じて支払われるものです。成果主義だ、能力給だと言っているのに、年齢で区切って給与を減らすのは会社側がズルいと思います。60歳になっても59歳のときと同じ働きができるなら同じ給与を得られるのが当然です。

年金との関連で収入を調節したい場合は、週に2日だけ来る人もいます。仕事が遅れたり、お客さんに迷惑が掛かったりすることがなければ自分で調節していいからね、と伝えてその通りにしてもらっています。

ですから、60歳や65歳とか年齢によって一律に給料を減らすことはありませんし、年齢を理由に採用を見送ることも一切ありません。

会社は社員に「働いてもらっている」と思うものだし、社員も会社に対して「働かせてもらっている」と思えるようなら、自然と社内の雰囲気がよくなります。

よく中小企業の社長さんたちは、「社員は家族だ」みたいなことを言うのですが、その会社の社員はそれを聞いて苦笑いする、なんていうケースはよくあります。口ではそういうのに、実際は言葉通りに扱っていない会社が多いと感じます。

中小企業に定年なんていらない

労使関係はどうしても雇用する側が強くなりがちで、いかに利益を出すかを考えて安く雇用することばかり考えている会社はまだまだ多いです。固定費をできるだけ低く抑えて利益を出すのがよい経営だという考えの人もいます。

しかし、「固定費をできるだけ低く」の意味が、「社員の給料をできるだけ低く」ということになると社員のモチベーションは上がりません。

社員の給料を低く抑えようとするのではなく、社員にいかに給料と同等かそれ以上の働きをしてもらうかを考えなければいけません。そして、社員の給料を増やすにはどうすべきかを考えていくべきです。これは「社員を安く使っていかに会社に残すか(社長が儲けるか)」とは対極の思考です。

ちなみに、うちにはボーナスがありません。先代がボーナスを払うときに短期借り入れを起こしていて、「こんなことは銀行に金利を払うためにやっているようなものだ」と思って、やめたのです。ただ、ボーナスはなくても月々の給与は多いので、年収で見れば同業他社よりやや高い水準になっています。

昇給すると最低でも月5000円、実際は月1万円以上で、最低年間12万円も増えます。月に2万〜3万円増える人はゴロゴロいて、最高で月8万円、年100万円近く増えた人もいます。

月1000円なら奥さんも気づかないけれど、2万〜3万円ならさすがに気づきます。すると、旦那さんに対して晩酌を一本多くするとか、ちょっと優しくなりますよね(笑)。

市川 慎次郎:中央シャッター/横引シャッター代表取締役

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