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2代目社長「社員は敵でなければよい」の真意 先代についてきたベテラン社員との信頼の築き方

東洋経済オンライン / 2024年2月28日 17時0分

中央シャツター/横引きシャッター社長の市川慎次郎氏(撮影:ミヤジシンゴ)

2代目社長は、創業者とは異なる苦労があります。中央シャッター/横引シャッターの市川慎次郎社長も2代目社長として完全アウェーの中、ベテラン社員たちとも信頼関係を築き、なんとか9億円の借金を返済して経営を軌道に乗せてきました。『新入社員は78歳 小さな会社が見つけた誰もが幸せを感じられる働き方』より、会社を変革するために行ってきたさまざまな施策についてお伝えします。

アウェーの2代目社長が実践する信頼の築き方

私が入社する前後からこれまでの中央グループの歩みを振り返ってみると、入社前までの「暗黒時代」(〜2004年)、借金返済に奮闘した「暗黒時代からの復活」(2004〜2011年)、先代社長がなくなり社員が大量離脱した「史上最大の混乱期」(2011〜2012年)、再始動して軌道に乗った「成長期」(2013年〜現在)に分けることができます。

【写真を見る】工場の問題点を一つひとつ解決していった

先代の跡継ぎ候補として会社に入社したとき、仕事を覚えるのと同時に心掛けたことは、社員との人間関係をしっかりつくることです。

本社では返済が軌道に乗ってきて、自分のポジションができてきたけれども、工場にいくと全然人間関係ができていなかったので、最初は完全アウェーでした。

彼らとの信頼関係をつくるのにまず行ったことは、困りごとを聞いてあげることでした。

「どんな仕事なの? どれくらい日にちがかかるの? どれくらいお金がかかるの?」と聞いていくと、納期が厳しいとか、材料が入ってこないとか、いろいろと小さな困りごとが出てくるのです。

それと同時に本社の情報を流してあげます。「今度こういう仕事が○日までに入ってくるから、それまでにこの仕事は終わらせておいたほうがいいね」という具合に。自分たちが知らない情報を教えてくれるというメリットがあるので、私が工場にいっても嫌な顔をされなくなっていきました。

工場の通路が塞がっている、空調の効きが悪い、作業場の手元が暗いなど、些細なことのようですが、そこで毎日働く人にとってはとても重要で切実なことなのです。そこのところをわかってあげて、1つひとつ解決していきました。

そうするうちに、だんだんと信頼関係ができていったように思います。

「社長の息子」というのは、勤続年数の長い社員ほどけむたく感じるものです。そういう人たちと信頼関係を築くには、まず小さくてもいいからポジティブな結果を出すことです。

味方は簡単には増えない、敵でなければよしとする

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