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2代目社長「社員は敵でなければよい」の真意 先代についてきたベテラン社員との信頼の築き方

東洋経済オンライン / 2024年2月28日 17時0分

借金が減っていくと、自然と社内の空気はよくなっていきます。取引先からの催促がなくなる経理だけでなく、給料の遅配もなくなるので、会社がよい方向へ向かっていることが、全社員にも実感できるようになっていきます。

すると、「この社長の息子についていけばなんとかなるのかもしれない」と思ってもらえるようになっていきます。ここで初めて味方に近い状態になってくれるのです。

ここから働き方や福利厚生などに手をつけていき、社員の幸せ感がさらに増していくような施策を考えていきました。

私は2代目だったため、最初は小さな成功をつくって社員からの信頼を得て、味方を増やすことからはじめなければなりませんでしたが、創業社長であればその必要はありません。中小企業であれば、社長が面接して気に入った人を採用しているはずですから、大きく社長の考えとは違う人もいないはずです。

そう考えると、多くの中小企業では、やりがいや働きがい、働き方や福利厚生に手をかけることで社員のモチベーションを上げる下準備はできているのだと思います。

会社を一番よくわかっている社長が変革しようとして考えた施策はおそらく正しいものがほとんどのはずです。それでも会社が変わらないのは、実行が甘いからです。やり切れていないのです。それは社長が心の底から「これが大事だ!」と思っていないから、社員に伝わらないのだと思います。心底、やるべきだと思っているならやる意味を伝え続けるしかありません。

衰退期に陥った企業にありがちな空気

停滞期、衰退期に陥った企業には、「どうせやらなくても怒られない」「どうせやっても何も変わらない」という空気感が蔓延しています。

これを払拭していくには社長が言い続けるしかありません。本人が本心から思っていないと言い続けることはできませんから、社長自身が気づくしかないのです。

伝え方のコツとしては、「適量の3割ぐらい多め」に「何度も」言うことです。コミュニケーションは相手に伝わっているかどうかが問題です。相手に伝わるのは言った量の3割減ぐらいになると思っていたほうがいいでしょう。多めに伝えて、それではじめて相手にちょうどよく伝わるのです。

会社を変革しようとして社長が外に出てセミナーや講演などで学んできたりすると、「これってうちでもできるんじゃないの」と思えるものがどんどん出てきますよね。

しかし、それを社内で提案しても「いや、社長、うちの場合はこうじゃなきゃいけないから、このやり方でないとダメなんですよ」ということが多いのではないでしょうか? 私の場合は、その発言が納得できれば変えることはありません。けれども、納得できず、「今のやり方を変えたくないだけだな」と思えば、説得するモードに入っていきます。

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