転換点を迎えたウクライナ「10年戦争」の行方 アウディーイウカ要塞の陥落が戦局にもたらす意味
東洋経済オンライン / 2024年2月28日 13時0分
2024年2月24日でウクライナ戦争は3年目に突入した。いまだに停戦の糸口が見えてない中、戦争は一つの山場を迎えているといってよい。
2月になって大きな話題は、ロシアのプーチン大統領に対するアメリカのタッカー・カールソンのインタビューであった。アメリカのジャーナリストがモスクワに乗り込み、直接プーチンに質問するというのであるから、インタビュー前から話題になっていた。
2014年からの戦争
プーチンとのインタビューといえば、すでにアメリカの映画監督オリヴァー・ストーンのインタビューが本になって出ている。それ以上に、カールソンが何を聞き出すかに注目が集まった。
インタビューは2時間にわたり、ほとんどプーチンの独演という状況であった。とうとうと立て板に水のごとく答えていくプーチンの力強さだけが目立った印象であった。世界一タフで切れる大統領というイメージが残ったかもしれない。
その内容は、ウクライナとロシアの歴史、ソ連崩壊後のエリツィン政権の失敗、21世紀になってのNATO(北大西洋条約機構)の拡大、BRICS諸国の世界経済における地位の変化、そして停戦の可能性についてであった。
問題は、このインタビューを聞いたNATO諸国がロシアに対するイメージをどれだけ変えうるかという点にある。
プーチンの弁舌はいつも通りで、ロシア史やウクライナ史、ソ連崩壊後ユーゴスラビア問題、その後のNATOの拡大など、とくに新しい論理を展開したわけではない。
ただ、この戦争は2022年ではなく2014年のマイダン事件、そしてミンスク合意から始まっていたのだという点は、重要な意味を含んでいた。
2022年2月24日からウクライナ戦争が初めて始まっていたのだという理解は、あくまでも非当事者のレベルの理解であり、すでに戦争状況に直面していた当事者であるウクライナもロシアもこの点では、少々異論を持っていたのかもしれない。
この2月、ゼレンスキー大統領はウクライナ軍の総司令官ザルジニーを更迭し、シルスキーに変えるという大胆な選択を行った。2023年10月以来、ゼレンスキーとザルジニーの対立は先鋭化し、内乱の可能性もあると言われていた。
しかも、ゼレンスキーが更迭を表明してもザルジニーはそれをすぐに受け入れたわけでなかったからである。それほどザルジニー支持があったともいえる。しかし、ウクライナ軍の総司令官と大統領の間に確執があるのではないかという噂は、とりあえず打ち消された形となった。
ウクライナ軍総司令官の交代
この記事に関連するニュース
-
ドネツク州でロシア戦闘車列への大規模攻撃...対戦車砲とドローンの「精密爆撃」で次々に「撃破」する瞬間
ニューズウィーク日本版 / 2024年7月5日 19時1分
-
プーチンの本当の狙いはウクライナの領土ではない…小泉悠「ロシアの軍需工場を狙わないと最悪の結末になる」
プレジデントオンライン / 2024年7月5日 9時15分
-
プーチン氏、停戦はウクライナの事実上の「降伏」が条件と主張 ゼレンスキー氏も停戦否定
産経ニュース / 2024年7月5日 7時38分
-
「侵攻の引き金」を引いたウクライナの"失策" 対立の根底には2つの「ロシア人像」がある
東洋経済オンライン / 2024年6月25日 20時0分
-
プーチン氏、ウクライナに「最後通告」 NATO加盟撤回や4州割譲要求
ロイター / 2024年6月15日 1時19分
ランキング
-
1鹿児島県警の野川明輝本部長を不起訴…不祥事の隠蔽疑惑で刑事告発
読売新聞 / 2024年7月5日 22時42分
-
2生活「苦しい」6割=平均所得3.9%減―厚労省
時事通信 / 2024年7月5日 19時33分
-
3JR常磐線で死亡事故 60代の男性が電車の下に入り込む
福島中央テレビニュース / 2024年7月6日 6時12分
-
4「お前臭いねん」洗濯機に同僚の50代男性を入れて回した疑いで30代男2人逮捕 男性は「過去にも暴行を受けていた」と話す
MBSニュース / 2024年7月5日 19時40分
-
5何度も叫んだ「助けて」 駆け付けたヤマト配達員らに称賛の声
毎日新聞 / 2024年7月6日 8時30分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください
![](/pc/img/mission/mission_close_icon.png)