「また来た」社長にとって給料日は恐怖でしかない 資金繰りに追われて未来が見えなくなることも
東洋経済オンライン / 2024年3月2日 18時0分
会社の規模を問わず社長の頭を悩ますのが「お金のやり繰り」です。本稿では、自身も起業家として数々の辛酸を舐め、経営の伴走者として1000人以上の経営者の苦難を間近で見てきた徳谷智史の著書『経営中毒』より一部抜粋・再構成のうえ、社長にとって「給料日」がなぜそんなにつらいのか、具体的なエピソードを交えながらご紹介します。
社長になると、給料日の感覚が180度変わる
社長にとって悩みの種となるのが、なんといっても「金」です。儲かっていようが、赤字経営であろうが、一生ついてまわるもの。まさに「お金の呪縛」です。いきなり、こんな話をしたくはないのですが、多くの企業を見てきた事実を、ありのままお伝えします。
私自身も、とりわけ創業期は本当にお金のことばかり考えざるをえませんでした。事業が苦しい時期だと、社長は、四六時中、いや365日24時間お金のことが頭をよぎっていると言っても過言ではありません。なかでも創業時に直面しがちな「資金繰り」の苦しさはスタートアップ、中小企業共通の悩みと言えます。
まずはわかりやすい「給料」の悩み。社長になると給料日の感覚は会社員時代とは180度変わるのです。会社員の方にとって(特に若手の頃は)、25日や月末などの給料日が「待ち遠しい」日なのではないでしょうか。あるいは、むとんちゃくな人なら、「ああ、もう月末か。給料振り込まれたな」程度の感覚かと思います。
一般社員やマネジャー職はもちろん、雇われ社長のような立場の人でも、給料日に対してそこまで強い意識はないでしょう。ところが、社長になると、給料日は「しんどい日」に変わります。
社長にとって、給料=払うものであり、給料日とはお金が出ていく日だからでお金が潤沢なら悩むことはないかというと、そんなことはありません。
特に創業期は、限られた資金のなかで、常に事業のやりくりをしています。給料支払い日の25日が近づくと、「うわあ、もうすぐ25日か」「今日もう20日なんだけど、25日、あと5日しかない……」とゆううつになります。
なんとか今月の25日を乗り切ったとしても、当然、翌月の25日がやってくる。そこを乗り切っても、また翌月の25日がやってくる。「うわあ、また25日くるわ」と毎月嘆いているような状況です。
創業期に、給料日が近づくと「最後の審判」のような気持ちになったことのある社長は、きっと私だけではないと思います。
売り上げが入る前に支払いが生じる恐怖
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