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「また来た」社長にとって給料日は恐怖でしかない 資金繰りに追われて未来が見えなくなることも

東洋経済オンライン / 2024年3月2日 18時0分

もちろん、毎月の支払いは給料だけではありません。外注費用や事務所の家賃、水道光熱費、社会保険、税金など、さまざまな支払いが次から次へと押し寄せてきます。

当たり前ですが、名刺1枚、コピー1枚から、交通費、取引先との会食まであらゆる「モノとコト」にコストがかかります。

そうした支払いに対して、入金されたお金でどうにかこうにかギリギリで払っていく。私が見てきた限り、創業初期の企業のほとんどが、この「自転車操業」の状態に一度や二度は陥っています。

いまや業界を代表するような規模にまで成長した企業であっても、創業期の資金繰りの困難を (しかも、往々にして何度も)乗り越えた経験をしているのです。

特にスタートアップと呼ばれる急成長企業では、将来的な黒字化を見据えて、調達した金をあえて投資に回し、その結果、赤字経営をせざるをえないようなケースがあります。これはこれで悩ましいのです。

もう少し詳しく説明しましょう。手元の資金が1億円あるとして、キャッシュフロー上で毎月1000万円ずつ赤字だったとしたら、単純計算で10カ月間は会社を維持できます。

「将来の成長に向けて、手元にある資金を注ぎ込んでいこう」

多くの社長はそう考えます。ただし、10カ月後までに資金手当てをしないと当然、お金が回らなくなります。お金を調達して事業に向かっていたら、日に日にお金が減っていくわけですから、それが常態化すれば、会社が倒産してしまうのは誰にでもわかります。したがって、全力で事業に集中したくても、常に次の資金手当てのことも考えないといけません。

会社が存続するために、資金繰りのことが頭から離れないというのは簡単に言えば、こういうことです。会社規模によらず、着金日が1日ずれていたら、支払いが間に合わなかった、そんなケースも無数にあるのです。

しかし残念なことに、いわゆる自転車操業的な経営だけではなかなかうまく回らないのが現実です。「売り上げが入ってきた後に費用を支払う」という流れになれば良いですが、規模の小さい会社だと「売り上げが入ってくる前に、支払いが生じる」ケースが少なくありません。

会社員であれば、自分がかかわった仕事の売り上げがいつ入金されるかを正確に把握している人はほとんどいないでしょう。実際、売り上げは、当月の業務に対して請求書を発行したら、翌月末に振り込まれたら早いほうで、大手企業は支払われるまでの期間が長く、翌々月末まで待つこともあります(製造業では翌々々月末ということも)。

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