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「また来た」社長にとって給料日は恐怖でしかない 資金繰りに追われて未来が見えなくなることも

東洋経済オンライン / 2024年3月2日 18時0分

ビジョンを掲げ、事業を伸ばそうと起業した手前、急なコストカットを断行するわけにもいかず、その結果、予定していたよりも大幅に状況が悪化し、あっという間に資金は溶けていきました。

すぐに対策を講じようにも、社長自ら営業活動をしながら受注先に納品をしているような状況では、新たな対策に時間をかける余裕もなく入金が追い付きません。当たり前に聞こえるかもしれませんが、苦しくなってきてから対策を考えるようでは、「時すでに遅し」なのです。

支払いが遅れて信用が傷つくのだけは何としても避けたくても、予定していた入金が先方都合で遅れてしまい、期日通りに支払えなかったこともありました。

それでも、重要度の高い取引先への支払いの目処をどうにかつけられたと思ったのに、優先度の低い(というと、また怒られそうですが)支払いが先に口座から引き落とされてしまい、総額が足りず、大事な取引先に支払えなくなったことも。

資金繰りに忙殺されると、会社の成長が止まる

金融機関がこちらの引き落としの優先度を配慮してくれるはずもなく、そもそも支払い総額が足りていない状況の会社が要望を言える立場にありません。

嘆いたところで何も解決しないので、支払い時期を遅らせてもらうよう交渉したり、逆に入金を早めてもらえないか掛け合いつつ、並行して資金手当てをしたりと、冷や汗を何度も何度もかきました。

なにも自分の恥ずかしい過去を開陳したいわけではありません。

あえて断言しますが、資金繰りに忙殺されたい社長はただの一人もいないのです。自分が資金繰りに悩むと思って創業する人もいないでしょう。

そんな社長も(私もその筆頭でしたが)、手元の資金が足りなくなれば、日々資金繰りのことばかり考えるようになります。資金繰りが悪循環に入れば入るほど、頭の中のシェアをとられます。

最悪なのは、目先のお金をかき集めることばかりに忙殺されて、本来、社長がしなければいけないことに時間を割けなくなることです。

成長戦略を考えて必要な投資をするといった、大事な使命が頭からすっぽり抜け落ちてしまう。創業時に掲げた崇高なビジョンも「明日のご飯」に困ってくると、どこかに行ってしまうのです。

社長は立場上、なまじ責任感もあるので、関係先の支払いに対応するためだけに右往左往します。すると、どうなるか。

会社の成長が止まってしまいます。ビジョンもうやむやになり、人も離反します。

こうした事態を防ぐためには、当たり前すぎて身もふたもないように聞こえるかもしれませんが、事業を進捗させつつ、不要なコストを極限まで抑えるしかありません。

そして資金計画と調達のサイクルをとにかく前倒していく。社長が100人いれば100人全員が深くうなずくと思いますが、それに尽きます。

徳谷 智史:エッグフォワード 代表取締役

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