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日経平均がどこまで上がるかを真剣に考えてみた 天井知らずのエヌビディアの賞味期限はいつか

東洋経済オンライン / 2024年3月2日 8時30分

日経平均株価は4万円突破が目前。どこまで上がるか真剣に考えていたら「どこまでバブルが続くのか」が見えてきたような気がした(撮影:梅谷秀司)

このところ平日に株価がどんどん上がるものだから、つい気になって休日の競馬に身が入らない。この連載を10年以上も続けてきて、今までに一度もなかった事態である。

1989年当時の株価こそ「正気の沙汰」じゃなかった

それもそのはず、日経平均株価は2月22日、終値で3万9098円となって約34年ぶりに最高値を更新した。

当欄の相棒(持ち回り連載執筆者)である小幡績先生(慶應義塾大学院教授)は「日本株は誰が何と言おうと、やっぱり暴落する」(2月24日配信) とおっしゃる。

けれども、ありうるシナリオとして当のオバゼキ先生も予想したとおり、株価はその後も高値を更新しつづけ、3月1日には4万円まであと約10円と迫った。

この調子がいつまで続くのか。以下は若干の思考実験である。

新高値となった翌2月23日、日本経済新聞朝刊の一面は壮観であった 。「大はしゃぎ」と言っていいくらいだが、何しろ日経平均を算出している当事者なのだから、それくらいは必然かもしれない。この日の一面に描かれていた比較が興味深かった。

           1989年12月   2024年2月
時価総額        606兆円      943兆円
PER(株価収益率)   61.7倍      16.5倍
PBR(株価純資産倍率) 5.6倍       1.4倍
経常利益額       38兆円      95兆円
時価総額のGDP比 1.41倍 1.42倍
世界時価総額の日本比率 37% 6%

要するに日経新聞は、「2024年の株価はバブルじゃないですよ。1989年とは違って正当な評価なんですよ!」と強調したいのであろう。それは確かに一目瞭然で、今の常識から考えると1989年当時の株価は正気の沙汰とは思われない。

そして興味深いのが最後の項目だ。最高値をつけたとはいえ、日本株の時価総額は世界のわずか約6%にすぎない。34年前に比べれば6分の1のシェアに低下している。思えば世界の金融市場と言えば、当時はニューヨークと東京とロンドンくらいだったのだ。日本の株価が暴落して、ようやく「往って来い」になる間に、海外市場は大きく成長していたのである。

上海や香港、シンガポールなどの市場が成長したことはもとより、とにかくアメリカ市場の成長がすごかった。今では、全世界の時価総額のざっくり半分近くを占めている。

とくに新興企業向けの株式市場であるナスダックでは、マイクロソフトやアルファベットなどのハイテク企業が急成長を遂げた。今では「GAFAM」改め、「マグニフィセント・セブン」と呼ばれる銘柄群が育っていることはご高承のとおりである。

景気が悪いのに、この株高を信じてもいいのか

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