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モバイルトイレ、NUKUMARU…トヨタの新たな挑戦 高齢者や障がい者、災害を「自分ごと」として

東洋経済オンライン / 2024年3月3日 11時0分

災害時などでは、下水道に直接排水することも自治体と協議することになるという。トヨタはこれまで、各種の屋外イベントなどで実際にモバイルトイレのプロトタイプを設置し、利用者の声を聞いている。

現場では、「すべての人にとっての“トイレの必要性”を改めて実感した」という感想が少なくないという。

また、トヨタが2022年に実施したアンケートによれば、モバイルトイレ体験会に参加した人の82%が「モバイルトイレがあれば、今までできなかったことができるようになると思う」と回答している。 

Mobility for Allを具現化する「RB活動」

モバイルトイレは、トヨタが2023年から始めた「RB活動」の一環だ。RBとは、リムービング・バリアのこと。

トヨタは近年、東京2020オリンピック・パラリンピックを含めて、「Mobility for All=すべての人に移動の自由を」という移動に対する企業としての考え方を示している。

RB活動は、Mobility for Allに対する具体的な取り組みだと言えるだろう。移動に対する物理的、また心理的なバリアを取り除こうという試みである。

特に高齢者、障がい者、そして交通の不便な地域の住民などが「安心して一歩外に出てみよう」と思える、仕掛けや仕組みづくりを模索しているところだ。

現時点でRB活動は、モバイルトイレを含む7つの商材を用いている。キーワードは「今すぐやれるとこからまず取り組む」である。

例えば、バスなど交通機関で車いすの位置固定を短時間で行うための「車いすのワンタッチ固定」。この分野は車いす・乗用車・バスメーカーが連携して、車いす固定バーの標準化に向けたコンソーシアムを2022年4月に設立するなど、普及に向けた活動が具体的に始まっているところだ。

また、乗用車の運転席や助手席が左右に回転して乗降しやすくなる「ターンチルトシート」の普及促進や、ステアリング部にアクセルとブレーキのレバーの機能を組み込んだ「NEO Steer・ネオ ステア」をジャパンモビリティショー2023でワールドプレミアしている。

そのほか、「福祉タクシー」や自家用有償旅客運送による「地域の足」、そして「C+pod」や「C+walk」などの「小型モビリティ」の社会での活用がある。

本格的なミストサウナを移動式にした「NUKUMARU」

RB活動と並行して、トヨタの各部署ではMobility for Allに向けた興味深い試みがある。その中から今回は、「NUKUMARU:ヌクマル」と「ツギココ」を紹介したい。

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