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仕事ができない人は"相手のニーズ"を知らない 人は「感動」に対してお金を払っている

東洋経済オンライン / 2024年3月3日 15時30分

ここで「顕在ニーズ」「潜在ニーズ」の違いに触れておきましょう。「この望みを叶えたい」「こうなりたい」と常に思っていること(自分ではっきりと意識していること)が「顕在ニーズ」です。

一方、自分では気づいていないもの(意識していないもの)が「潜在ニーズ」です。「ニーズ」とは、人の心の中にあるものですが、自分ではっきりと気づいているものもあれば、気づいていない、時には、まったく知らないこともあるということです。

お客様(相手)のニーズを捉える際には、「顕在ニーズ」よりも「潜在ニーズ」を捉えることが重要になってきます。なぜなら、お客様は「自分が気づいていること」を伝えてもらったとしても価値を感じにくいからです。

お客様の反応は、「あーそれね」「うんうん」というレベルの反応です。しかし潜在ニーズを気づかせたときの反応はまったく違います。

「あ!確かに!」「そんなやり方が!?」「もっと早く知りたかった」のような反応になるのです。後述しますが、この「潜在ニーズ」の捉え方は、顕在ニーズを捉えるプロセスとはまったく違うのです。

ここまでお話ししたことが、本稿における「ニーズ」の定義です。ニーズの定義をきちんと理解できれば、仕事だけでなく、私生活においても、みなさんが普段行っていることが、本当に相手や周囲の人たちのニーズに応えるものかどうか(価値につながるものか否か)がわかってきます。

潜在ニーズの重要性を理解していただくために、私が仕事でお付き合いのある、結婚式用の衣装(タキシードやドレス)を販売・レンタルしている会社の話をご紹介します。

この会社には、結婚式用のタキシードやドレスを選びに、日々たくさんのお客様が訪れるのですが、男性客(新郎)は、大きく分けて2タイプの人がいます。

潜在ニーズを叶える提案に高い価値が生まれる

一つ目のタイプは「自分が格好よくありたい」「自分も目立ちたい」という思いで、高価なオーダーメイドのタキシードを買う人です。一方で、「自分はあまり目立ちたくない」という男性客もいます。

彼らは、「正直、私は安価なレンタルタキシードでいいんです」と言います。ここで、お客様のニーズをきちんと捉えられない営業担当は、「このお客様のニーズは、レンタル品を着て、できるだけ普通の感じでいたい。できれば費用も抑えたいということだな」と判断し、「承知しました。では、すぐにレンタル品をご用意しますね」と対応してしまいます。

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