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仕事ができない人は"相手のニーズ"を知らない 人は「感動」に対してお金を払っている

東洋経済オンライン / 2024年3月3日 15時30分

しかし、「あまり目立ちたくない」「レンタルでいい」というのは、あくまでも、顕在ニーズです。実は、ここにお客様自身は気づいていない、しかし気づかされたら「あっ、それがいい!」と思う潜在ニーズがあります。

それは、「結婚式で2人で並んだときに、新婦が本当に華やかに映える、幸せに見える姿でいてほしい」「新婦に最高に幸せな気分になってほしい」というニーズです。

ここで、お客様の潜在ニーズを的確に捉えられる営業担当なら、お客様に次のように伝えるはずです。

営業:「結婚式のシーンをイメージしてみてください。新婦様の横に立っている新郎様がどんな姿だったら、奥様がより映えるでしょうか? レンタルのタキシードも、決して質は悪くありません。でも、体に微妙にフィットしないタキシード、他の人と同じようなタキシードを着ている新郎様より、オーダーメイドを着てピシッと決まっている新郎様のほうが、新婦様が映えるんじゃないでしょうか? しかも結婚式という一生に一度しかない瞬間です。そのときに新郎様がどちらの状態でいることが新婦様にとって幸せでしょうか?」

こう提案すれば、「なるほど! 確かに私がオーダーメイドのタキシードを着ているほうが彼女が映えて、本人も幸せを感じるかもしれませんね。じゃあやっぱり少し高くても、オーダーメイドにします」と判断を変えるお客様もいるはずです。

最初は10万円以下のレンタルでいいと思っていた人が、営業担当によって気づかされた潜在ニーズを叶えるためなら、「何十万円もするオーダーメイドのタキシードをつくっても価値がある」と、購入を決断してくれるのです。

このように、潜在ニーズを叶える提案ができたとき、そこに初めて高い価値(付加価値)が生まれ、高い値段がつくのです。逆に、顕在ニーズを叶えても、そこに高付加価値は生まれず、高い値段もつきません。

しかも潜在ニーズを叶えれば、お客様を感動させ、幸せにすることができます。

提案、サービスによってお客様を心の底から喜ばせることができれば、「もしも普通のレンタルタキシードを着ていたら、私は一生後悔していたかもしれません。でも今、オーダーメイドを着ることの価値に気づけたので、お陰様で最高の結婚式にすることができます。本当にありがとうございます」と言っていただけるのです。

どんな業種業態であれ、常にお客様に気づきを与え、顕在ニーズだけではなく、潜在ニーズまで捉えて提案することが大切です。もちろん潜在ニーズへの気づきを与えられるかどうかは、「ニーズの捉え方」を極めていったとしても毎回できるとは限りません。成功の確率は、100%でなくていいのです。

社内の仕事でも「相手のニーズ」を捉える力が必要

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