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台湾の日系自動車向け部品会社で強制労働の疑惑 トヨタ、日産、ホンダ、三菱はどう答えるのか

東洋経済オンライン / 2024年3月4日 7時30分

裕隆日産は裕隆グループ傘下にあり、日産が少数株主(40%)だ。三菱自動車のパートナー企業である中華汽車(China Motor Corporation:CMC)の株式の14%を所有している。

これらの企業は出稼ぎ労働者を雇用しているのだろうか。労働者には強制労働のリスクがあるのだろうか。

その答えはイエスだ。日本の自動車大手2社に関わっている出稼ぎ労働者は、何年にもわたって債務拘束のリスクにさらされてきた。そして一部の労働者は現在もそのリスクがある。

私たちの調査によれば、国瑞汽車は約150人のベトナム人を雇用している。従業員は、採用問題について外部の人間と話さないように経営陣から通知されていると語った。

情報筋によると、ベトナム人労働者は、仕事の紹介料として業者から最大65万円の請求を受けているという。これは、ベトナムでは最低賃金の2年分以上に相当する。

ほとんどの労働者にとっては、高額の借金を背負わなければ支払うことのできない金額だ。S&Pグローバル・マーケット・インテリジェンスの取引データによると、国瑞汽車はトヨタ車を製造し、世界中のトヨタ関連企業に自動車部品を輸出している。

トヨタは国瑞汽車の件については現在、取り組んでいるとしたうえで、「サプライヤーは国際的な基準に照らして不合理とみなされる高い紹介料やその他の費用で従業員を搾取すべきではない」と述べた。国瑞汽車は、採用プロセスに関していかなる情報の開示も拒否している。

台湾本田にかつて雇用されたことのある出稼ぎ労働者は、仕事の紹介料を払うために高額の借金を負ったと語った。 ホンダは台湾における現在の従業員の国籍と採用慣行に関する開示を拒否した。

三菱自動車は、台湾で三菱ブランドの自動車を製造しているCMCが出稼ぎ労働者を雇用しているかどうかの情報開示を拒否した。裕隆日産も同様に開示を拒んだ。

未来への希望もある。私たちの調査によって、トヨタやGMなど世界最大級の自動車ブランドの一部が台湾のサプライヤーにおける強制労働リスクにも対処するようになったのである。

GMは、「当該のサプライヤー(LMW)との取り組みに加えて、他の台湾のサプライヤーともこれらのリスクに対処するために積極的な措置を講じている」と述べた。

トヨタは技能実習生によって支払われている紹介料について、日本のサプライヤーの大半にアンケート調査を終えており、台湾でも同様の取り組みをこれから実施すると説明した。

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