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「AIカメラ」が切り拓く、スポーツの新たな明日 100人が見る試合を1万試合配信も

東洋経済オンライン / 2024年3月7日 19時0分

このように日本には、小規模とはいえ映像化を望まれながらも配信されていないスポーツの試合が、まだまだ数多く眠っています。そういった試合を埋没させないためにも、われわれの会社では「100万人が見る試合を1試合放送するのではなく、100人が見る試合を1万試合配信する」というテーマを掲げ、アマチュアスポーツの秘めたる力を掘り起こし、それを通して社会や人の繋がりを増やしていきたいと思っています。

スポーツ用のAIカメラ、その特性と可能性

スポーツの試合をライブ配信する際には、撮影の経費や人手、あるいは専門性を持った人材の確保などさまざまな障壁が浮かびあがります。いったいどうやって「1万試合の配信」を実現するのか? 前置きがかなり長くなりましたが、それを実現する大きな武器となるのが、スポーツ用のAIカメラです。

われわれNTTSportictが扱っているAIカメラは、2013年にイスラエルで設立されたPixellot(ピクセロット)社製のものです。世界80カ国で利用されていて、現在3万5000以上もの施設にAIカメラが設置されています。世界全体でみると、毎月15万以上もの試合がライブ配信されており、これまで延べ455万もの試合が配信されました。その数は今後もさらに増えていくでしょう。

ではいったいどんな特性を持っているのか?現在AIカメラは、野球、サッカー、バスケットボール、ハンドボールなど16種類のスポーツに対応しているのですが、ここでその詳細をご紹介します。

AIが自動で映像編集

◎AIカメラ「S1/S3」

《仕組み》AIカメラ「S1」には別々の方向を向いた4つのカメラレンズがついており、グラウンドを4等分して撮影します。それを独自の映像処理端末を介して、いったんグラウンド全体が入ったパノラマ映像を生成。そのパノラマ映像から「人の動き・ボールの位置・スポーツごとのルール」を理解したAIが自動で【適度なサイズ(いわゆるテレビ中継的なサイズ)】に映像編集してくれます(S3は昨年リリースされた最新機で、解像度などがスケールアップした機種です)。

《強み》サッカーやバスケットボール、バレーボールなどの球技で、プロのカメラマンが状況に応じてカメラを左右に振って撮ったような映像(全体がわかる俯瞰映像)を無人で撮影できる点です。AIカメラは試合のなかで常に動き回っている人やボールを追いかけながら、何のゲームか、どんなルールかをきちんと理解しています。

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