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「AIカメラ」が切り拓く、スポーツの新たな明日 100人が見る試合を1万試合配信も

東洋経済オンライン / 2024年3月7日 19時0分

例えばサッカーであれば、発生したプレーがコーナーキックなのかペナルティキックなのかを独自のAIアルゴリズムで判断。この判断に基づいて、全体のパノラマ映像から最適な映像フレーム(画角)を切り取るので、試合映像を見ている人はカメラマンが撮影しているかのように見えてしまいます。事前設定するだけでライブ配信も簡単にできるのも大きなメリットです。

また、フィールド全体が収まったパノラマ映像(サッカーの場合は、両チームのゴールマウスが常に入った状態)も同時に保存されるため、プレーに直接関与していない選手の動き、フォーメーションの確認など、試合はもちろん、練習のフィードバック素材としても大きく貢献してくれます。

《課題》選手の表情(顔のアップ)までは映し出せないところです。ゴールを決めて喜ぶ選手、惜しいプレーをして悔しがる選手の表情などはスポーツ中継の醍醐味の一つです。ただ、課題となっている選手の「アップ映像」に関しては、新たなAIの仕組みを構築して、ボール保持者のアップ映像を常に撮り続けられるような撮影方法も検証中です(乞うご期待!)。

【補足】ちなみに、以前イスラエルの本社に伺った際には、AIカメラにスポーツのアルゴリズムを学ばせるために、テレビモニターに映ったバスケの試合映像を10台以上ものカメラがひたすら撮影&学習していたのが印象的でした(なんだか受験生が黙々と勉強している姿にも見えました!)。

◎野球用AIカメラ「DoublePlay」

《仕組み》①バックネット裏に設置され、試合全体の動きを俯瞰的に捉えるカメラと②センター側に設置され、ピッチャーとバッターの対戦を狙ったカメラの2台から構成します。2台のカメラの映像をAIが試合状況に応じて自動スイッチングするのが特色です。

《強み》ピッチャーの投球モーションやバッターのバットを立てた動きなどをトリガーに、①の俯瞰の映像から②のピッチャーとバッターの対戦映像へと自動で切り替わるため、無人でテレビ中継のような映像が楽しめます。ほかにも、ランナーの盗塁や打者のバントなどにも反応して俯瞰の映像に切り替わるなど、野球の仕組みを理解した賢いヤツです。もちろん、このDoublePlayもライブ配信対応の機種になります。

《課題》アップ映像を撮ることが難しいため、打者・投手の表情、守備時などでプレーの「寄り」が撮れないところです。野球文化が他国に比べても盛んな日本では、高校野球やプロ野球などで充実した野球中継を見慣れているため、ユーザーにご提案する際にはこのあたりを懸念されるケースもあります。この課題は、別のカメラを使って撮影したアップの映像とミックスするなどしながら、できる限りテレビ中継のような世界観を目指しています。

AIカメラ×スポーツ×地域

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