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「あたり前田の〜」「キムタク」耳に残る言葉の秘密 日本人の記憶に長くとどまる「3拍・4拍」の法則

東洋経済オンライン / 2024年3月9日 10時0分

若い人には伝わらない昔のギャグや言い回し、テレビCMで流れていた人気のフレーズはなぜ耳に残るのでしょうか(写真:metamorworks/PIXTA)

スマホ社会の現代日本。

若者たちは黙々と動画やゲームの画面と向かい合い、用事は絵文字を含む超短文メールを素早く打つばかり。

時間を割いて他人と会って話すのは「タイパが悪い」とすら言う彼らと、「生きた」日本語の距離がいま、信じられないくらい離れたものになっています。

言い換えるならそれは、年配者との間の大きなコミュニケーションの溝。 

「日本人なのに何故か日本語が通じない」という笑えない状況は、もはや見過ごせませんが、「その日本人同士と思うところが盲点」と、話すのは、言語学者の山口謡司氏。

『じつは伝わっていない日本語大図鑑』と題された一冊には、日本人ならハッとする指摘が満載。

その中から、会話が通じない「落とし穴」になりがちな日本語の興味深い例を紹介しましょう。

テレビCMで流れていた人気フレーズ

「ピアノ売ってチョ~ダイ!」「電話してチョ~ダイ!」

【簡単にわかる】日本人の心に残り続ける言葉

コメディアン・財津一郎氏の甲高い声が印象的な、中古ピアノ買取会社のテレビCM。

約20年間、ほぼ同じ映像を流し続けたこのユニークなCMが、昨年10月に財津氏が心不全で死去したため、お茶の間から消えてしまったことを惜しむ人が多いと聞きます。

伝えられるところによれば、スポンサーのタケモトピアノの竹本功一会長は、長い歳月の間で何度か映像構成を変えようとはしたのだとか。

しかし、そのたびに、「変えないで。このままがいい」というお客様の声がたくさん届いて断念したのだそうです。

このCMに財津氏が起用されたのは、最高視聴率60%台を記録したあの伝説の超人気コメディ時代劇『てなもんや三度笠』(TBSテレビ系列/1962~1968放映)がそもそものきっかけ。

素浪人の役で出演していた財津氏が、「ゆるしてチョ~ダイ!」の迷ゼリフをしょっちゅう叫んでいたことがベースになっているのだといいます。

若き日の竹本会長が、そんなフレーズもろとも財津氏の大ファンとなり、それが後年、CM出演依頼のご縁へとつながっていったのだと。

いつも目にしていたテレビCMの裏に、かれこれ60年の歴史が連なっていたことを今の若い方たちが知ったら、きっと「へぇー」と驚くのではないでしょうか。

ところで、『てなもんや三度笠』といえば、「あたりまえだのクラッカー」という、一大流行語を生んだことでも知られています。

日本中を笑いの渦に巻き込んだこのお化け番組のスポンサーは一社提供で、前田製菓というお菓子メーカー。

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