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昼下がりに眠気が強くなる人の体に将来迫る危険 血糖値の急変動に覚えがあるなら生活上の工夫を

東洋経済オンライン / 2024年3月9日 14時0分

ランチ後に眠くなる、だるくなる……もしかしたらそれは「糖質疲労」が原因かもしれません(写真:ペイレスイメージズ1(モデル)/PIXTA)

ランチの後、しばらくして「眠くなる」「だるくなる」。あるいは十分に食べたはずなのにすぐに小腹が減る、集中力が途切れる、イライラする、首の後ろがずんと重くなる――。

こんな症状が出ている人は要注意。将来的に生活習慣病のリスクを抱えることにも繋がりかねません。北里大学北里研究所病院副院長・糖尿病センター長の山田悟医師による新刊『糖質疲労』から一部抜粋、再構成してお届けします。

その眠気、「糖質疲労」かもしれない

「糖質疲労」という言葉、はじめて聞いたことでしょう。

これは現代社会でひそかに、しかし、確実に増えてしまっている症状について、私がアスリートやビジネスパーソンの方たちとお話をしていて気づいた概念です。ですからご存じなくて当たり前です。

「糖質疲労」とは何なのか? 実は、みなさんにとても身近な問題なのですが、自分のこととは思っていない人がほとんどだと思います。

「ランチ後は誰だって眠くなるでしょう?」「たまたまこのところ忙しく、寝不足だったからな」そんなふうに思って、とりわけ気にとめず、毎日を過ごしておられる人が多いのではないかと思います。

しかし食事の後、しばらくして眠い、だるい。または、十分に食べたはずなのにすぐに小腹が減る、集中力が途切れる、イライラする、首の後ろがずんと重くなる──といった症状があるなら、それは「糖質疲労」の可能性が大きいと思っています。

ランチ後にこうした症状を訴え、午後のパフォーマンスを下げている人が実に多いので、私はこの問題を理解しやすくするために、不快な症状をまとめて「糖質疲労」と名づけました。

みなさんは「食後高血糖」と「血糖値スパイク」という言葉をご存じでしょうか?

「食後高血糖」というのは、文字どおり食後の血糖値(正常140㎎/㎗未満)が高いことです。通常、健康診断で測る「空腹時血糖値」(正常110㎎/㎗未満)とは判断基準が異なります。

食事をとった後、誰でも血糖値はある程度上がるのですが、その上がり幅が大きいのが「食後高血糖」です。

健康診断で血糖異常と判断されるのは「空腹時高血糖」(空腹時血糖値が110㎎/㎗以上)ですが、空腹時血糖値が異常となる10年ほど前から、食後高血糖が生じていることが報告されています。

そして、食後高血糖は、その後、遅れて分泌されるインスリンというホルモンの影響で、急ブレーキのように血糖値が急峻に下がるという現象に続きます。

血糖値の乱高下が生じる

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