血糖値高めを放置し「足を切断した」男性の言い訳 糖尿病を甘く見てはいけない、これだけの理由
東洋経済オンライン / 2024年3月10日 11時0分
「誰か教えてくれたら、こうならなかった」。糖尿病による壊疽(えそ)によって足を切断した男性は、こう悔やむ――。
これまで1000人を超える患者を在宅で看取り、「最期は家で迎えたい」という患者の希望を在宅医として叶えてきた中村明澄医師(向日葵クリニック院長)が、若い人たちにも知ってもらいたい“在宅ケアのいま”を伝える本シリーズ。
今回のテーマは、生活習慣病の予防。「自分は大丈夫」と過信することの危険性、現役世代が知っておきたい生活習慣病の予防法や注意点などについて解説する。
自覚症状がないから大丈夫
妻と、独身の息子と3人で暮らしているAさん(71)。10代後半からタバコとお酒をたしなむようになり、社会人になってからは、タバコは1日1箱吸うのが当たり前、お酒は休肝日なしで、飲み歩く日々でした。
【表で見る】血糖値高めでも治療を受けていない人の割合と、透析や失明にいたる人の割合
食べすぎや飲みすぎ、喫煙などは、血糖値を上昇させる原因です。Aさんもそうした生活習慣が影響し、40代で受けた健康診断では、すでに血糖値が高いことが指摘されていました。
ところがAさんは、特に自覚症状がなかったため、「大丈夫だろう」と油断していたようです。
喫煙や飲酒習慣を変えることなく過ごしていたところ、50代で脳梗塞を患い、車いす生活に。会社勤めも通勤が難しくなったため、50代半ばで早期退職せざるを得なくなったのです。
脳梗塞は、脳の血管が詰まり脳細胞が死んでしまう病気で、多くの場合、半身まひや嚥下(えんげ)障害、失語などの機能障害が生じます。脳梗塞を含む脳血管疾患は、介護が必要となる状態や寝たきりになる原因の1、2位に挙げられています。
自宅で過ごすようになったAさんは、脳梗塞を患ってもなお「自分は大丈夫だろう」と、それまでの生活習慣を変えることなく過ごしていました。車いす生活で自由に外出できなくなったことで、「お酒とタバコが唯一の楽しみだから、やめたくない」という気持ちも強まったそうです。
家族はそんなAさんを心配しながらも、「本人がそうしたいなら仕方がない」と注意することなく、なかば諦めモードでいたようです。
その結果、Aさんは脳梗塞から5年後には心筋梗塞を患い、8年後には足の組織が壊死し、片足を切断することになります。さらに、失明の恐れもあるということを知り、愕然とします。
足の切断、そして失明の危険性がすぐそこまで迫っている段階に来て、やっと糖尿病がいかに深刻な病気なのかを自覚したのです。
糖尿病を放置しておくと…
この記事に関連するニュース
-
透析を始めたら二度とやめられず、4割が5年以内に死に至る…静かに進行する"沈黙の臓器"腎臓の危険な病
プレジデントオンライン / 2024年6月28日 9時15分
-
食欲なし、足のむくみは心臓がやられている可能性…「大病の予兆」見分け方のコツは遠い場所に出る危険サイン
プレジデントオンライン / 2024年6月23日 6時15分
-
佐藤弘道さんは下半身麻痺で活動停止…「脊髄梗塞」はどんな病気?
日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年6月21日 9時26分
-
糖尿病の人が水虫を放置するとどうなる? 13人に1人が爪白癬【日本版「足病医」が足のトラブル解決】
日刊ゲンダイ ヘルスケア / 2024年6月20日 9時26分
-
世界では「近視は病気だ」と認識されつつある 日本で目が悪いことが軽視されすぎている理由
東洋経済オンライン / 2024年6月14日 8時30分
ランキング
-
1「ぐっすり眠れない人」今すぐ摂るべき5つの食材 「眠りを誘うホルモン」が睡眠の質を高める
東洋経済オンライン / 2024年7月6日 21時0分
-
2何もしてないのに「バッテリー上がり」した! 真夏の「突然のトラブル」どう防ぐ? いつか起こり得る「エンジンかからない」どう対処するのがOKか
くるまのニュース / 2024年7月6日 18時10分
-
3日産新型「セレナ“ミニ”」登場は? シエンタ&フリード対抗の「小型ミニバン」は? 実はあった「小さな3列車」 ユーザーの声いかに
くるまのニュース / 2024年7月6日 7時40分
-
4ワークマンの「暑い日に履きたい、通気性抜群のシューズ」3選 980円の「ボーンサンダル」はカワイイ&歩きやすい
Fav-Log by ITmedia / 2024年7月4日 5時55分
-
5値上げラッシュに打ち勝つ!電気&ガス代が家計を圧迫「夏の光熱費節約」プロ技10
週刊女性PRIME / 2024年7月6日 11時0分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください