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血糖値高めを放置し「足を切断した」男性の言い訳 糖尿病を甘く見てはいけない、これだけの理由

東洋経済オンライン / 2024年3月10日 11時0分

糖尿病という病気は、食事や運動などの生活習慣が深く関与している生活習慣病の代表格です。血糖値が高い状態を放置していると動脈硬化が進行し、脳梗塞や心筋梗塞といった病気のリスクが2〜3倍高まります。

糖尿病の患者数は推計を始めた1997年の690万人から右肩上がりで、厚生労働省の「令和元年 国民健康・栄養調査」によれば、疾患が疑われる人を含めると、日本人の実に5~6人に1人が罹患(りかん)している国民病です。

糖尿病の合併症には先に挙げた網膜症や神経障害のほかに、糖尿病性腎症があります。動脈硬化によって腎臓の機能が失われ、悪化すると人工透析が必要になります。透析は週3回、1回につき4時間以上もかかる大変な治療です。

Aさんは、血糖値の高さを指摘されたにもかかわらず、生活を変えず血糖値が高い状態を放置していたため、気づいたときには、脳や足に取り返しのつかないダメージを負ってしまいました。

ただ、心筋梗塞や脳血管障害などで、命を落とす可能性もあったため、何とか一命をとりとめたのは、不幸中の幸いといえます。

しかし、これはAさんに限った話ではありません。実際、生活習慣病が進行する多くの例が、Aさんのように「自分は大丈夫」と過信し、習慣を改めようとせずに放置してしまった結果なのです。

では、Aさんはどうすればよかったのでしょうか。

まずは、健康診断で異常値が認められた時点で、生活習慣を改善する必要がありました。具体的には、禁煙をし、飲酒量を減らし、1日3食、規則正しく栄養バランスのよい食事を摂る。そして適度な運動も欠かせません。

Aさんも健診後の指導にきちんと従って、生活習慣を是正していれば、もう少し自身が思い描く人生を歩めていたかもしれません。

健診を後回しにしてしまう人

ところで、社員の健診は勤め先である会社組織の義務ですが、フリーランスや自営業、主婦などは自らの意思で健診を受けなければなりません。

そのため、健診を後回しにしてしまう人も見られます。

私が診ている患者さんのなかにも、長年にわたって健診を受けておらず、50歳で脳出血を起こし、初めて自分が高血圧だったことを知ったイラストレーターさんがいました。

脳出血の影響で半身まひとなったため、絵を描くことができなくなり、今は貯金を切り崩しながら生活をしています。「まさか自分がこんなことになるなんて」「なぜもっと早く健診を受けなかったのか」と、悔やんでも悔やみきれない様子でした。

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