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フォートナイトに「和歌山の観光地」実現の舞台裏 観光資源豊富も交通不便、どう魅力伝えるか

東洋経済オンライン / 2024年3月10日 10時30分

メタバース和歌山によるフォートナイトの「和歌山城」(提供:メタバース和歌山)

観光資源は豊富だが、アクセスが不便。そんなイメージのある和歌山が、観光振興および地域経済の活性化、さらには若い世代の育成と雇用創出を目的にする観光DX事業「メタバース和歌山」を始動させた。

【写真】実際の和歌山城。メタバースではリアルに再現されている。

その第1弾として、「和歌山城」「和歌山駅前」「市内繁華街・あろち(新内)」をメタバース上に作り、全世界ユーザー数5億人を超える人気オンラインゲーム「フォートナイト」上にアップ。和歌山を舞台にしたeスポーツ大会を実施した。

仕掛け人は、メタバース和歌山実行委員会の代表・豊田英三氏。一般社団法人・和歌山新城下町DMCや和歌山県観光連盟と連携し、和歌山が抱える課題の解決へ向けた、デジタル上の仮想空間からリアルの地域振興につなげる取り組みを始動させた。

熊野古道や南紀白浜など豊富な観光資源

和歌山といえば、金剛峯寺をはじめ117の寺院がある高野山、自然崇拝を起源とする熊野古道といった世界遺産、和歌山城、国指定重要文化財の紀州東照宮のほか、リゾート地の南紀白浜、さらには龍神温泉など豊富な温泉地としても知られる。

「令和4年観光客動態調査報告書」(和歌山県)によると、過去最高の観光入込客数を記録したのは令和元年の3543.3万人。コロナ禍により大きく減少したあと、令和4年では2913.8万人(対前年比117.1%)と回復はしているものの、令和元年との比較では82.2%と回復への道は半ばといった状況だ。

コロナ禍では観光以外でも、特徴的な人の動きがあった。

2017年から、全国の自治体に先駆けてワーケーションに最適なロケーションとして南紀白浜への企業誘致を積極的に行っており、コロナ禍で“ワーケーションの聖地”と称され、IT企業を中心に注目されているのだ。実際にサテライトオフィスや保養所を構える企業が続き、移住者も増えた。

新幹線が通らず、アクセスが不便

そんな和歌山だが、地域特有の課題もある。新幹線が通らず、国土軸から離れていることだ。和歌山市から兵庫・淡路島の約40キロを、世界最長のつり橋・紀淡海峡大橋を含めた幹線道路で結ぶ第2国土軸を提唱しているが、実現は見えていない。

つまり、大阪からも名古屋からもそれほど距離は離れていないものの、アクセスが不便であり、観光振興のひとつのボトルネックになっている。

加えて、全国の自治体と同様、高齢化と人口減少による労働力不足、とくに若い世代の産業の担い手の減少という地域経済の衰退への道を歩んでいる。

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