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フォートナイトに「和歌山の観光地」実現の舞台裏 観光資源豊富も交通不便、どう魅力伝えるか

東洋経済オンライン / 2024年3月10日 10時30分

「eスポーツやVRなどを活用しながら、経済活動における顧客層やフィールドを広げていきたいです。そこから、次世代の顧客の発掘に加えて、地域で働く人材の確保と育成により、和歌山の観光およびサービス産業全体を支えるのが大きな目標です。同時に、青少年をメタバースクリエイターとして育成する教育システムも構築し、県外人材のIターンUターンにつながるような活動にしていきたいです」(豊田氏)

仮想体験型の観光コンテンツの創出を目指す観光DX事業としてスタートしたメタバース和歌山には、経済産業省の事業再構築補助金を一部に充て、総投資額約1億円を投入。第1弾として、全世界ユーザー数5億人を超える人気オンラインゲーム「フォートナイト」上に「和歌山城」マップを2023年12月21日に公開した。

これまでの成果として、一般プレーヤーのプレー回数は2月末(2月29日付)までのわずか2カ月で2万910回を記録。フォートナイト・プレーヤーでもあるお笑い芸人・小籔千豊のYouTubeチャンネル『フォートナイト下手くそおじさん』とのコラボなどのPR効果もあり、好調なすべり出しとなった。

ちなみに、12月28日に公開された「和歌山駅前」は1万1324回、2月27日公開の「あろち」は587回(どちらも2月29日付のプレー回数)。フォートナイトプレーヤーに一定の認知を得ていることがわかる。

「和歌山城」と「和歌山駅前」を舞台にした『和歌山城下町eスポーツ大会』(2月11日)や、3月3日にはその2カ所に「あろち」のゲームマップを加えて、和歌山県、和歌山県観光連盟、和歌山市が後援する本格的なオフライン大会イベント『和歌山新城下町CUP』も開催した。『和歌山新城下町CUP』では、全8チーム16名の選手が、会場となった和歌山市内のコワーキングスペース「Work&Study IDEA」に集結した。

その模様は配信もされ、「和歌山城」を舞台にするサバイバルゲームの戦闘は大いに白熱した。まさに戦いのために作られた“日本の城”の防衛のための複雑な構造など、城特有の防御力の高さや機能性を、ゲームでの実戦を通して、プレーヤーと観客に体感させた。ゲームの舞台としての城に興味を抱いた人も多いことだろう。

メタバース和歌山に参画する、南海電鉄グループのeスポーツ事業会社であるeスタジアムの向井康倫氏は、「地域の学生や子どもたちがここでeスポーツを練習したり、マップ制作を学んだりすることで、将来の職業になっていくこともあると思います。そういった面からも和歌山を盛り上げていきたい」と話す。IDEAをクリエイターやゲーマー育成の拠点とする構想もあるようだ。

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