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野菜不足で「がんになる人」ほとんどいない真実 加えてストレスでがんになる人もほとんどいない

東洋経済オンライン / 2024年3月14日 14時0分

がん治療の進歩や生存率の向上などもあって、今やがんは「共存していく病」といえます(写真:mits/PIXTA)

日本人が一生のうちにがんと診断される確率は2人に1人。「国民病」と言われながら、その特徴や治療法、社会保障について詳しく知らない人がほとんどです。知らないどころか大きな誤解も多々あります。そこで、抗がん剤治療のパイオニアで、腫瘍内科医として、日々、患者の生活の質を支える医療を実践している勝俣範之氏が、がんと共存する生き方について解説します。

『あなたと家族を守る がんと診断されたら最初に読む本』から一部抜粋・再構成してお届けします。

がんサバイバーは全国に500万人以上、がんは共存していく病気

日本人の2人に1人が一生のうちにがんに罹患し、5人に1人ががんで亡くなっています。

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がんはそういう意味でも国民病と言われますが、情報が氾濫しすぎて正しい情報を得ることがかえって難しい時代です。

まず、ステージ4のことを「末期がん」と思い込んでいる人がいますがそれは大きな誤解です。

ステージ4とは、がんが遠隔転移している状態です。遠隔転移や、再発した場合は治療のための手術はできませんが、薬物療法の目覚ましい進化により、この20年間で5倍も長く生きられるようになっています。

最近では、がんを経験した人を「がんサバイバー」と呼びますが、そうした方々が全国に500万人以上いると言われています。がん治療の進歩や生存率の向上などもあって、今やがんは「共存していく病」です。

国としてもそうした方々を支える支援の施策をいろいろと打ち出していますから、がんとともに生きる人生は特別なものではなくなっているといえます。

だから、がんと診断されても、慌てたり、諦めたりしないでいただきたいと思います。

未だに誤解されているのが、医師から「がん」と確定診断されたときの「余命宣告」です。

医師が告げる余命は当たらない確率のほうが断然高いというエビデンスがあります。

国立がん研究センターで、進行したがん患者75名について医師が予測した余命が実際に的中したかどうかを調査した結果、予測確立は「一致」が33~36%でした。つまり3分の1程度しか当たらないのです。

この程度の確率しかないのに余命宣告を行うことは大きな問題です。できれば医師による余命宣告は即刻やめてほしいと私は思っています。

同様に「5年生存率」も、過去の数字からのデータでしかなく、患者さん1人ひとりのがんの状態によってまったくわかりませんので、あくまでも目安として受け止めていただきたいと思います。

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