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「管理職目指す女性が少ない」日本が直面する現実 DeNA南場会長とハイセンスジャパン李社長対談

東洋経済オンライン / 2024年3月14日 12時30分

――自由意志で選んでくださいというと、管理職を積極的に選ぶ女性は多くない気がします。李社長も、「日本の女性は昇進したくない」という印象をお持ちのようです。

李:日本は女性が昇進できない時代が長かったので、もはや文化になっているように見えます。中国は数十年前まで貧しかったので、夫婦でお金を稼いで豊かになろうという考えでした。結婚して、子どもを産んで、そこで仕事を辞める「寿退社」という発想は昔からなかった。

たぶん日本は違いますよね。会社に入って一生懸命頑張ってリーダーを目指すより、いい男性と結婚して、家庭で自分の役割を果たしたいと考える女性が結構多い。質の高い教育を受け、大学にも通っているのになぜ?と最初は感じました。

中国に比べて母親が子どもを見る時間が長いし、それが女性の昇進に影響しているとも思います。育った環境の影響があって文化として定着しているので、変えるのは時間がかかる。

保育園や預かり保育の整備、子どもの面倒を見てくれる祖父母への支援、また、ベビーシッター、家政婦利用の補助など国がもっとサポートすべきと思います。

――中国は上昇志向で昇進への意欲を主張する女性が多いと感じます。それも文化ですか。

李:中国は一人っ子政策が長く、一つの家庭にこの子しかいない。そういう状況なので、男女関係なく、一人の子に教育を受けさせて、仕事も思う存分やってほしい。そんな社会なので待遇に男女差が出にくいということはあります。

私も社長として能力のある女性社員を昇進させたい。社内では「女性だって社長を目指せるんだよ」と話していますし、女性が上を目指しやすい環境はつくるべきです。

ただ、南場会長と同じく管理職の数値目標設定には賛成できません。数値ありきだと適性のない人を登用し、男性が不公平感を感じるかもしれません。女性自身もやりたくないのにやらされたら居づらいですよね。

なぜ管理職になりたい女性が少ないのか

南場:おっしゃっている通りだと思います 。今そんなに管理職になりたくない人になりたいと思いなさいっていうのは違うし、無理がある。男性もそうですよ。やりたくない人に、やりたいと思いなさいっていうのも。

DeNAでの管理職は役割にすぎないので、上下関係がないものですから、マネジメントに関心がある人もいれば、エキスパートとして優秀という人もいる。全員にマネジメントをやりたいと思えというのも無理があります。

でも、なぜ管理職になりたい女性が少ないかという原因を遡ると、どこかで社会的なバイアスを受けて育っている可能性がありますよね。

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