福島の雪と寒さが生んだ会津若松城「赤瓦」の"美" 白い壁に映える赤い瓦、紅白の配色にうっとり
東洋経済オンライン / 2024年3月15日 18時0分
NHK総合サタデーウオッチ9の人気気象キャスターである久保井朝美さんは、大のお城好き。気象予報士になってからは、お城を見る視点に「天気」という専門性が加わり、新たな疑問や仮説が浮かんでくるようになったといいます。
四季があり、かつ東西南北で気候が異なる日本では、各地の城の「気象対策」も異なるはず――。久保井朝美著『城好き気象予報士とめぐる名城37 天気が変えた戦国・近世の城』より、「雪」に備える城の知恵をお伝えします。
日本海側の豪雪地帯などでは、凍結によるひび割れや雪の重さによる崩壊などを防ぐ、さまざまな知恵が見られます。
【写真で見る】桜との共演も素晴らしい、雪から城を守る「赤瓦」を天守から眺める会津若松城
会津は日本有数の豪雪地帯!
福島県は、全国の都道府県で3番目に面積が広いです。阿武隈高地と奥羽山脈を境に、気候は東西で大きく異なり、いわき市がある浜通り、福島市がある中通り、会津若松市や猪苗代湖がある会津の3つに分けられます。
浜通りは太平洋側の気候、会津は日本海側の気候、中通りはその中間の気候です。
会津若松城がある会津は日本海側の気候ということもあって、冬は雪が多く、寒さが厳しいです。1年間の降水量の半分ほどが冬に降る雪で、豪雪地帯に指定されています。
また、日本海から新潟県を通過して冷たい季節風が強く吹きます。会津若松市の東にある猪苗代湖では、波しぶきが強風に吹かれて岸辺の木に着いて凍る「しぶき氷」が見られます。全国的にみても珍しい現象です。
雪解け水や猪苗代湖などの水源に恵まれ、肥沃な土壌で米どころとなっています。
瓦に釉薬をかけ「凍み割れ」防ぐ
会津若松城といえば、白い壁に映える赤い瓦です。紅白の美しい配色にうっとり見惚れてしまうのは、きっと私だけではないはず!
瓦が赤い理由は美を追求したためではなく、豪雪地帯ならではの工夫です。一般的な黒い瓦は粘土でできているので、雪が降ると水分を吸収してしまい、その水分が瓦の中で凍ったときに瓦が内部から割れてしまいます。これを「凍(し)み割(わ)れ」といい、雪が多い地域の建物の課題です。
そこで、水分が瓦の中にしみこみにくくするために、瓦に鉄分入りの釉薬(ゆうやく)をかけて焼きました。窯の中で高温で焼くことにより鉄が酸化して、瓦の色が赤くなったのです。雪と寒さへの対策をした結果、美しい見た目にもなって、一石二鳥です。
城主・保科正之によって「赤瓦」に
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