「恋空」のスターツ出版がスゴいことになっていた チームで作る穏やかな風土で、売上が5年で5倍超に
東洋経済オンライン / 2024年3月15日 12時0分
菊地:彼女は学校の先生で、授業で戦争の話をしても、生徒がピンとこないことに危機感を持ってあの作品を書いたといいます。そこで書いたものが、うちの編集者の目に留まった。
――作家さんが、読者に近い目線で作品を書いていることが、ヒットの理由なのかもしれませんね。
菊地:そうですね。スターツ出版の本が売れている大きな理由は、読者に寄り添っているからです。一般人である書き手と読者の方が二人三脚でシナリオを作ったのが原点だったわけで、そこで生まれた作品の共感性は高いわけです。それは、ケータイ小説の時代から今に至るまで、同じですよね。
書籍作りは「チーム」で
――作品作りで気を付けていることはありますか?
菊地:基本的にチームで動くことを意識しています。編集チームと営業チーム、投稿サイトのチームの全10人ぐらいで一つのレーベルを担当しています。もちろん編集作業は一人が行うのですが、基本的に作品はチーム全員が読んで、あれやこれや意見を言いますし、表紙デザインの決定もみんなでわいわい言いながら、良いところ、悪いところを言い合いますね。
その作品に対して、それぞれの視点から見て思うことがあると思うので、チームで行うことによって、より良いものに近づくんじゃないかなと。
――ある出版社の話で、インフルエンサーのところへ出版の打診をしに行ったところ、同じ部署の隣の机の人が打診をかけていた……なんてことをよく耳にします。
菊地:そういうことはあり得ませんね。そこが、他の出版社との大きな違いになるのかもしれない。同じ部署内はもちろん、営業と編集の仲が悪いみたいな状況は、うちの会社ではあり得ないですね。出版に限らない話ですが、個人が中心で動くだけではダメだと思います。
――スターツ出版では紙の小説を電子コミックにしたり、またその逆も……といったメディアミックス戦略も意欲的です。そうした事業展開が利益増に拍車を掛けているようにも思いますが、たとえば小説の担当者と、マンガの担当者は違うわけですよね?
菊地:そうですね。
――担当者間で、トラブルが起きたりしないのでしょうか? 「自分が育てた大事な作品を、あの人に担当させるなんて……」というふうに。
菊地:それは、なりませんね。というのも、みんな仲がいいんですよ。むしろ作家さんを紹介しあっている(笑)。
僕が一番大事にしているのは「人の和」です。スターツ出版では、「穏やかでのびのびとした社員の成長が持続できる企業風土」を3カ年の成長戦略の一番上に掲げています。
最も重視しているのは「社員のコミュニケーション」
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