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DeNA南場会長が語る「日本はダイナミズムがない」 DeNA南場会長とハイセンスジャパン李社長対談

東洋経済オンライン / 2024年3月15日 8時0分

DeNA南場智子会長と、ハイセンスジャパン李文麗社長(写真:ハイセンスジャパン提供)

2024年3月4日に日経平均がバブル後最高値を更新したが、生活ベースでの景気回復の実感が薄い。少子化に伴う人口減で、市場縮小や労働力不足への対応も差し迫った課題だ。

経団連副会長も務めるディー・エヌ・エー(DeNA)の南場智子会長と、販売台数世界2位のテレビメーカー「ハイセンス」の日本法人トップを2011年から務め、東芝のテレビ事業を買収して経営再建も指揮したハイセンスジャパンの李文麗社長が、日本企業の競争力やダイバーシティ、女性登用の取り組みについて、自身の体験を交えながら直言した。(前後編の後編。前編はこちらから)

日本にはダイナミズムがない

――経団連の副会長でもいらっしゃる南場会長は、日本企業の競争力をどう評価していますか。DeNAの属するIT業界ではアメリカのスタートアップが開発したChatGPTがゲームチェンジの火ぶたを切りました。他の業界も含めてイノベーションにおける日本の出遅れが気になります。

DeNA南場智子会長と、ハイセンスジャパン李文麗社長

南場:日本の競争力はこの30年右肩下がりで、いろいろなランキングも順調に落ちています。1989年には時価総額ランキング世界トップ50社のうち32社が日本企業だったんですね。今は1社だけですよ。1人当りGDPの順位もずっと下降しています。

中国やアメリカにあって日本にないのがダイナミズム。スタートアップが次々に生まれて、今ある会社に追いつき追い越して、リーダーが入れ替わっていくというダイナミズムが米中にはあるんですよね。特に中国は数年前まですごかった。シリコンバレーの人たちがみんな中国にスタートアップのエコシステムを見に行っていました。

最近はその点における中国の勢いも陰りがありますが、日本は中国のダイナミズムから学ぶことが多いです。

日本は資源のない小さな国ですから、オープンな交易をして経済圏を開いていかないと先がないんですよ。今の分断とか内向きの状態は日本には決してプラスにならないので、オープンな世界にするリーダーシップを日本は発揮していかないといけない。

李:南場会長はそうおっしゃるけど、十数年日本にいる私は最近の日本がとても元気だと感じます。物価が上がり賃上げも始まった。東京には麻布台ヒルズ、虎ノ門ヒルズのような高層ビルが続々と建ち、地方だってそう。広島の真ん中に大きなスタジアム「エディオンピースウイング広島」が建設され、TSMCの熊本工場が稼働しました。TSMCはこれからも日本に投資するでしょう。

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