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天才「ガンディーニ」シャイな彼が残した遺言 ミウラやカウンタックを生んだデザイン哲学

東洋経済オンライン / 2024年3月15日 12時30分

一方で「新しいものをデザインするためには、その分野で過去に行われたことをすべて知る必要がある。デザインの歴史、そしてイノベーションの歴史全般を知ること。たとえば、レオナルド・ダ・ヴィンチ以降を知ることは、これからのデザイナーにとって必須条件なのだ」とも諭しており、彼が常に身をもって示してくれた彼の仕事への取り組みに言及し、次のように締めている。

「テクノロジーを『アイデアを実現するための手段』として使うことだ。しかし、書くこと、描くこと、計算すること、紙にスケッチを描くことをやめてはいけない。鉛筆は、アイデアという脳と現実をつなぐ特別な手段だ。紙と鉛筆からプロジェクトを始められるのは、アイデアがあるということ。オリジナルのアイデアがなければ、どんなテクノロジーもそれを生み出すことはできない」

偉大なるガンディーニの魂を後世に

このコトバには、彼のデザインセオリーが詰まっている。彼の魂から沸き出したような素晴らしい講演の記録を読んだとき、筆者は震える気持ちを抑えることができなかった。そして思った。

彼の目の前には、まだまだたくさんのプロジェクトが待ち構えているのは間違いないだろう。彼にしてみれば、「私は忙しいから、今のうちに自分の遺言たるものをしたためておいたよ。だから、私の仕事を邪魔しないでくれよ」と言うつもりなんだろう、と。

運命はわからない。この彼のコトバがまさしく遺言となってしまうとは……。筆者のような凡人の役割として、彼についての偉業を引き続き世に伝えていくことが餞(はなむけ)となるのではないかと考えている。

資料提供:Lectio Magistralis, Marcello Gandini – Cerimonia conferimento Laurea honoris causa in ingegneria meccanica – Politecnico di Torino

越湖 信一:PRコンサルタント、EKKO PROJECT代表

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