専門家に聞く、自宅でできる「姿勢改善の方法」 姿勢が悪い人が抱える「恐ろしいリスク」とは
東洋経済オンライン / 2024年3月16日 13時0分
転倒予防なのだから、足の筋肉を鍛えればよいのだろうと思われがちですが、全身にある抗重力筋を鍛えることが重要です。
筋肉を鍛えるというと、筋肉量を増やすというイメージが強いですが、大切なのはそれだけではありません。輪ゴムが古くなると固くなって伸びが悪くなるように、年齢を重ねてくると、筋肉が固まって伸びが悪くなり、思うような働きができなくなります。
固さをとるには、固くなってしまった筋肉を伸ばし、ほぐしてあげる必要があり、筋肉がきちんとほぐれれば、今ある量の筋肉が十分に働くようになります。
筋肉は、量だけでなく、質も大事だということです。
そして、筋肉は量を増やすよりも、ほぐして質を高めるほうがラクです。そこで今回は、自宅で簡単にできる7つのリハビリ、通称「セルフリハ」から、3つを厳選して紹介します。
姿勢改善のためのトレーニング法
まず、1つは「肩甲骨はがし」です。このトレーニングは、肩甲骨周りの筋肉をほぐして、可動域を広げるためのものです。肩甲骨周りの筋肉が固まってしまうと、服を身につけるのがつらくなります。
また、洗濯物を干す、高いところの荷物をとるなど、腕を高く伸ばして行う作業がしづらくなっていきます。
そして、何より、円背を防ぐことにもつながるのです。筋肉が衰えてくると、腕の重みに耐えかねて、左右の肩甲骨が外側に引っ張られ、肩が前に倒れた状態になります。肩が前に倒れることで、背中が丸まり、円背へとつながっていくのです。
筋肉は同じ姿勢を続けた場合、その状態で固まるという性質を持っているので、正常な状態よりも左右の肩甲骨が外側に開いたまま固定されてしまいます。
つまり、肩甲骨周りの筋肉をほぐさない限り、肩が前に倒れた状態は解消されないのです。
時計回り、反時計回り各10回、1セットで1日2~3セットを行ってください。
次に「腰ひねり」です。
腰方形筋、同じく抗重力筋である大殿筋や腸腰筋など、起き上がる、歩く、服を着るといった動作に必要な筋肉を鍛えることを目的としたトレーニングです。
10回1セットで1日2~3セットを行ってください。
最後に「お尻歩き」です。歩くときに必要な抗重力筋、腹筋群、腸腰筋、大殿筋を鍛えるトレーニングです。今回紹介するトレーニングのなかでは、一番大変かもしれません。無理をせず、できる範囲でトライしてみてください。
前後8歩をずつを1セットで、1日2~3セット行ってください。
無理をしないことが大切
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