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子どもに「求められてない助言」をする親の勘違い 叱ったり、励ましたりするのが逆効果になる場合も

東洋経済オンライン / 2024年3月20日 6時50分

ここに、話し手の話が正しいか間違っているか、いいことか悪いことかといったジャッジをするという行為は含まれていないのです(もちろん親として物事の善悪や危険な行動について指導しなければいけないという点を置き去りにしているわけではないので、ご安心ください)。

注意する前にまずは「気持ち」を要約

それでは、今回のケースではアドバイスの前にどのように答えたら良かったのでしょうか。ここでポイントになるキーワードが「パラフレーズ」です。

パラフレーズとは、アクティブリスニングの聞き方のテクニックの一つで、聞いた話をまとめて言い換えたり、要約したりする手法を指します。

今回のケースでは、叱りたくなるところをぐっと我慢し、まず話を最後まで聞きます。先日配信の「親子の会話は『子9割:親1割』がちょうど良い訳」で解説した原則と同じです。次に、パラフレーズの技法を使うと、こうなります。

「そうだったのね。みんなで一つのことで笑い合えて楽しかったね」

子どもが「楽しかった」と話していた内容を要約して、言いたいことを最後まで話させるのです。一通り子どもの話をしっかり聞いてあげた後は、「でも、下に人がいたらどうだったかな?」といったようにその行動が「客観的にどうだったのか」を聞いてみましょう。自分から「危なかったから良くないことだった」「次は気をつける」と言ってくれるはずです。

自ら考え、答えを見つけ出すこの過程が、コミュニケーション力を高め、自分で決められる子に近づくための一歩となるのです。

「今日の体育で、リレーのバトン落としちゃったの。私が落とすまでは一番だったのに、私のせいで負けちゃった……。もう学校行きたくない。みんなの顔見たくないよ……」

来週に控えた運動会のクラス対抗リレーを楽しみにしていた次女。練習でうまくいかなかったようで、落ち込んでいます。そこで、励ますつもりでこう声をかけました。

「わかるよ。ママもリレーのバトン落としたことあるよ。しかも落としたバトンに乗っちゃって派手に転んで、学校中から大爆笑されちゃったよ。でも、そんなの大したことないよ! ママだってその後も楽しく学校に行けたんだから! 大丈夫大丈夫!」

この言葉を聞いた次女、一層心を閉ざしてしまった感じがします。なぜでしょう……。

こんな相談を受けたことがあります。

いいお母さんですね。きっと明るく楽しいご家庭なのだろうと思います。

でも今回のケースには、実はアクティブリスニングで「ハマりがちな落とし穴」が隠れています。

親の「よくあること」は、子どもの「一大事」

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