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子どもに「求められてない助言」をする親の勘違い 叱ったり、励ましたりするのが逆効果になる場合も

東洋経済オンライン / 2024年3月20日 6時50分

前回のケースで、アクティブリスニングには「共感が大事」とお伝えしました。今回のケースでは、共感を示せているように思えます。

しかし、ここに「ハマりがちな落とし穴」があります。それは、安易に「わかるよ!」と言ってしまうことなのです。

親からすると数十年の人生経験から「些細な失敗」と思えても、子どもにとっては、「人生最大の事件」だと感じていることは少なくないものです。

子どもの頃を思い返してください。クラスメイトとの小さなケンカも、宿題をやり忘れてしまったことも、大事件に感じていませんでしたか?

しかも問題は、「わかるよ」「大丈夫!」これらのフレーズです。子どもを励ましたいときに、つい言いがちな言葉ですが、これも子どもにとって逆効果になる可能性があります。

簡単に「わかるよ」「大丈夫!」と言ってしまうと、「そんな簡単なことじゃない!」「親はどうせわかってくれない!」などと、共感ではなく「軽く考えているだけ」と感じられてしまうこともあるのです。この共感のようでいて共感ではない言葉が、子どもが心を閉ざしてしまう原因にもなりかねません。

共感+深掘りで気持ちが通じる

こんなときには、アクティブリスニングで話を聞くときに役に立つテクニック、「話を深掘りする質問」を使ってみるのがおすすめです。

今回のケースで深掘りする質問をしてみると、こうなります。

「それは辛かったね。ママも子どもの頃に似たような状況で辛い思いをしたことがあるよ」

これが最初の一言です。まずは「共感」ですね。「辛い」という気持ちに共感していることをはっきりと示してあげるのです。

気持ちに共感してあげた後は、「深掘りする質問」です。「辛いと思うのは、どうしてかな?」といった、内面を深掘りするような質問が効果的です。

親から日常的に「共感+深掘り」で質問されている子どもは、自然と友だちと話をするときに、「共感+深掘り」のステップを踏むことに慣れていきます。親が子どもに「共感+深掘り」の順で話す習慣を身につけると、子どものコミュニケーション力も育つのです。

「共感+深掘り」は次のような応用も利きます。例えば、「習い事の練習をやりたくない」と言っているような場合。

「みんな遊んでるし、練習しないで遊びたいよね」といったように、まずは「やりたくないという気持ちはわかる」という共感を示します。

そのうえで、「でもせっかく半年頑張ってきたピアノの発表会が明後日あるんだから、今日は練習した方がいいんじゃないかな」と、しっかりと伝えましょう。共感したうえで理由を説明する方が、子どもは受け入れやすいのです。

柳澤 綾子:医師、医学博士

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