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WR-Vの価格をライバルに合わせたホンダの苦境 高価格化したヴェゼルの穴を埋めるも課題あり

東洋経済オンライン / 2024年3月24日 12時30分

WR-Vの売り方をホンダの販売店に尋ねると、以下のように返答された。

「ヴェゼルとWR-Vはサイズがほぼ同じだから、選択に迷うお客様も多い。そこで店舗によってはヴェゼルとWR-Vを並べて展示して、パワーユニットや価格だけでなくデザインも比べられるようにしている。WR-Vのフロントマスクは野性的な印象で、都会的なヴェゼルとは雰囲気が異なり、実車を見ると選択しやすい」

納期などについてはどうか。

「WR-Vが納車を開始する時期は2024年3月ごろだ。現時点(2024年3月上旬時点)で注文を入れた場合、WR-Vの納期は4~6カ月になる」

実はこの取材時、「GはWR-Vと重複するため、このまま廃止する可能性も高い。ただしWR-Vは2WD専用だから、4WDのヴェゼルGは残すことも考えられる」との回答も得ていたのだが、2024年3月14日にヴェゼルの改良モデルが発表され、販売店でのコメントのとおりガソリンGは4WDのみとなった。

ただしWR-Vがヴェゼル・ガソリン車の後継とするには、足りないところも見られる。たとえば、WR-Vのインパネ周辺は、ヴェゼルでもっと安価なGと比べても、質感などが物足りない。

パーキングブレーキは、ヴェゼルではGを含めて全車がスイッチで操作できる電子制御式で、運転支援機能のアダプティブクルーズコントロールも、停車状態まで作動する渋滞追従機能付きになる。

WR-Vではパーキングブレーキはレバー式で、そのためアダプティブクルーズコントロールでの自動停車状態が保てず、時速25kmを下まわると作動が自動的に解除されてしまうのだ。

荷室やシートアレンジも異なる。ヴェゼルは燃料タンクを前席の下に搭載するから、後席を小さく畳める。後席の座面を持ち上げる機能も備わり、車内の中央に背の高い荷物を積載することも可能だ。

これらの機能がWR-Vには採用されず、シートアレンジは後席の背もたれが単純に前側へ倒れるだけ。しかも、広げた荷室の床に段差ができる。

燃費対策も異なる。ヴェゼルはガソリンGにもアイドリングストップを装着して2WDでは17.0km/L(WLTCモード燃費)となるが、WR-Vは非装着で16.2~16.4km/Lにとどまる。

以上の違いを考えると、ヴェゼルのガソリン車にe:HEV・Zに相当する充実装備のグレードを250万~260万円で用意すれば、WR-Vを発売する必要はなかったかもしれない。

お買い得度からも見えるWR-Vのターゲット

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