株価、金、ビットコインが驚くほど高騰する事情 世界の金融資産が史上最高値の更新を続けるなぜ
東洋経済オンライン / 2024年3月25日 7時50分
時価総額1兆3500億ドルと言えば、「銀」の時価総額1兆3600億ドルに匹敵する金額となり、その市場規模は確実に増え続けていると言っていいだろう。ちなみに暗号資産全体の時価総額は「2.8兆ドル」。金の時価総額が「14兆ドル」であることを考えると、まだまだ小さいマーケットだが、すでに台湾や韓国の証券取引所の時価総額を超えている。
ビットコインが価格を上げている背景には、何があるのか。様々な情報をまとめてみると、次のようなことが原因として考えられる。
①ETF解禁
アメリカのSECが、ビットコインを直接保有するETFを正式に認可したことで、大量の資金が集まったこと。ETFの市場規模は7兆ドルに達しており、数多くの機関投資家や個人投資家が参入してくることが予想され、暗号資産全体のステータスを上げることになると指摘されている。
② マイニング(採掘)報酬の半減期
ビットコインは、4年に1度採掘報酬が半分に減額される「半減期」を、この4月に迎える。過去の半減期では常にビットコインの価格が上昇してきたため、現在の1ビットコイン=7万ドル前後というレベルも、半年後には11万5000ドル台になるのではないかという専門家も存在する。
③北朝鮮・ロシアの制裁逃れに活用
ウクライナに侵攻したロシアや国連決議違反を続けている北朝鮮やイランは、揃って世界中から経済制裁を受けているが、制裁によって不足している外貨をビットコインによって補っていると言われる。これまでにも北朝鮮のハッカー集団が、大手暗号資産交換業者のコインチェックから5億3000万ドル相当を盗む事件があったが、同様にバングラデシュやマレーシアの中央銀行が保有する暗号資産が盗まれる被害に遭っている(「ビットコイン 不穏な風穴」、日経新聞2024年2月29日、朝刊)。
ロシアも、北朝鮮やイランなどから武器を違法購入する際に、決算手段としてビットコインを使っていると報道されている。世界的な決済ネットワークである「国際銀行間通信協会(SWIFT)」から排除された国にとっては、ビットコインが重要な決済手段のひとつとなっていることは間違いなさそうだ。また、エルサルバドルなどビットコインを法定通貨にしている国もある。格付けの低い新興国などは、ビットコインを担保に資金を調達したほうがコストが低いと言う現実もあるようだ。
④トランプ発言
次期米大統領選の有力候補であるトランプ前大統領が、この3月11日にアメリカの大手メディアのCNBCに出演した際に、暗号資産を「取り除きたいと思っていない」と発言したことも価格上昇に勢いをつけたと言われている。
「限りある資産」にマネーが集まる理由とは
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