株価、金、ビットコインが驚くほど高騰する事情 世界の金融資産が史上最高値の更新を続けるなぜ
東洋経済オンライン / 2024年3月25日 7時50分
例えば、企業は資産や生産性に合った株式を発行しないと、株価は大きく下落してしまうことになる。金は、周知のようにその絶対量が決まっている。ビットコインも発掘作業によって供給量が制限される。しかも2100万枚という最終的な絶対量も決まっている。
事実上無制限に発行できる法定通貨に比べると、まだ株式や金、ビットコインのほうが安心できる、ということだ。法定通貨に対する不安心理は今後も「インフレ」「通貨安」という形で表面化するはずだ。物価上昇は通貨の価値を目減りさせる。日本銀行が、この3月19日に17年ぶりの金利上昇へと政策転換したが、今後はきちんと金利を上げていかないと円安が進んでしまうことになる。円安が進めば、インフレに拍車がかかる。
いずれにしても、株式の高騰と金やビットコインの高騰には、深いかかわりがある。政府が発行する紙幣や現金と同じ預金よりも、インフレによって目減りしにくい資産に財産を託したほうがいい、と考える投資家が増え続けていく可能性が高い。大規模な戦争などが起こって、政府に対する信頼が回復しない限りは、このままこの傾向が続く可能性が高い。
トランプ大統領の再選やロシア・ウクライナ戦争の終結といった程度のイベントでは、法定通貨に対する信頼度が大きく回復する可能性は低いのかもしれない。タンス預金や普通預金だけで資産防衛する時代ではないということだ。
岩崎 博充:経済ジャーナリスト
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