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家を借りられない「高齢者の住まい」迫りくる危機 孤独死で「事故物件化」ほかにもトラブルが続出

東洋経済オンライン / 2024年3月26日 6時50分

お金の有無にかかわらず、高齢者が部屋を借りにくくなっています(写真:maroke/PIXTA)

2023年1年間に生まれた子どもの数は、外国人なども含めた速報値で75万8631人。で、前の年より4万1097人減少と8年連続で、統計開始以来、過去最少になったことが報道されました。 少子化と表裏一体の課題が「超高齢化社会」です。

医療の発達により、いわゆる不治の病が少なくなり、なかなか「死ねない」時代がもうそこまでやってきています。

一般的な定年の年を過ぎても長く生きなければならないこれからに備え、何をどのように準備しておけばいいのか――医療、お金、住まい、相続など、さまざまなジャンルの専門家8名の著者による『死に方のダンドリ』(ポプラ新書)から、一部抜粋・編集してお届けします。

孤独死によって「事故物件化」

お金の有無にかかわらず、高齢者が部屋を借りにくくなっています。

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いま賃貸物件に住んでいる中高年も10年、20年と経てば高齢者になり、亡くなる可能性が高くなります。孤独死もあるでしょう。

基本的に、事故物件となるのは自殺や他殺が原因であり、病気などで亡くなった場合は含まれません。ところが、病死であったとしても、発見が遅れてしまって特殊清掃が必要になったりすると、事故物件になってしまいます。

そうなると自殺や他殺のように告知義務も発生し、次の入居者を確保できにくくなるという問題が生じてきます。孤独死が原因で事故物件になった場合の家主や不動産会社の悩みを紹介します。

孤独死が発生したが身寄りがなく、ご遺体の対処、滞納された賃料、リフォーム費用などがすべてこちらの負担となった。
賃料を下げても風評被害でその後の入居者を見つけることができなかった。不動産の売却依頼を受けたが、やはり売れず、苦労した。

浴室で孤独死が発生。
死亡翌日に発見され、病死だったことから本来次の入居者への告知義務はないが、入居後に知ることになる可能性が高いため、告知をしている。
浴槽の交換をして家賃も下げたが、入居希望がなく、ずっと空室のまま。このようなことがあると、高齢者への紹介には二の足を踏んでしまう。

木造2階建てアパートで高齢女性が浴室で孤独死。原因は心不全。ご子息が母親と連絡が取れないことを心配して入室確認し、死亡が発覚した。
死後2週間ほど経っていた。残置物は処理業者に依頼して処分。
しかし、腐敗臭は残ったため、賃貸物件として貸すことが不可能に。他の部屋の入居者も徐々に退去。その後、家主の希望もあって募集はせず、建物は解体して更地に。
もともと家主は貸さないと言っていたにもかかわらず、死亡した高齢女性がどうしても借りたいと申し出て貸した経緯があったため、家主は今後中高年の単身者には貸さない方針を明確にした。

事前に知っていたら借りなかった

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