健康食品「こんなに効く」が信用できない納得事情 グルコサミンやヒアルロン酸に効果はあるのか?
東洋経済オンライン / 2024年3月27日 14時0分
これまで、一般的には人の寿命を人為的に延ばすなど不可能と思われてきました。しかし、近年の科学はそれを可能にするヒントをつかみました。それがサーチュインです。そのヒントを基にした研究者の努力により、人の寿命延長はより現実味を帯びてきたのです。しかも、もたらされた長寿は寝たきりや認知症などを伴わない、いわゆる健康長寿なのです。
このような、いわば「正しい寿命の延ばし方」を査読付き論文の研究をベースに解説した今井伸二郎さんの著書『最新科学で発見された 正しい寿命の延ばし方』より一部抜粋・再構成してお届けします。
「医食同源」は日本で生まれた造語
食べることは、生物の基本です。当たり前のことでも言われてみないと気づかないのは人の常ですが、食べることができなければ人間は死んでしまいます。
食の三機能という言葉があります。その三機能とは、第一次機能として「栄養」に関わる機能、第二次機能として「嗜好」、いわゆる美味しさに関する機能、そして第三次機能として「生体調節機能」です。
特に、この第三次機能こそ、最近多く取り上げられている食品の健康機能性です。食の確保は人類の歴史上重要な事柄であり、それが戦いの目的になったのも事実です。
もちろん食の確保は栄養として食を求めたわけですが、食と健康にも深い関係があることは、かなり昔から認識されていたようです。事実、医食同源や薬食同源、インドのアーユルヴェーダなどでは食事により健康を維持することの重要性を説いています。この医食同源、薬食同源という言葉は古代中国の言葉ではなく、実は日本で生まれた造語です。
1970年代ごろ、栄養第一主義の欧米食を避ける動きと日中国交回復の機運から、中国式養生のブームが起こり、古代中国の医や薬が食と同源とする思想を日本で造語したのがこの言葉の起源です。健康の維持増進には食生活のみならず、適度な運動や休養が大切といわれています。
医食同源という造語が作られたころは体を動かす労働が主体であり、十分な運動量が確保されていました。ところが、近年体を動かす仕事は少なくなり、ほとんどがホワイトカラーとなりました。
さらに、交通インフラの発達により、通勤でさえ運動にはならなくなったため、今では運動や休養は自らのお金を使い、意識し努力しなければ得られないものになってしまいました。しかも誰もが適度な運動や休養を簡単に得られるわけではなく、時間的にも経済的にも余裕がある人の特権となりつつあります。そんな時代的な背景もあって、健康食品が着目されるようになったのです。
健康食品の標的となった疾患
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