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現場の情報をくみ上げるのがうまい上司の秘訣 不必要な「仕事の中断」にキレない上司の度量

東洋経済オンライン / 2024年3月28日 9時0分

部下が声をあげやすいようにするために、なんでもミスのレッテルをはらないようにしましょう(写真:PanKR / PIXTA)

あなたの組織には、異変に気づいた部下が、「何かおかしい」と率直に声をあげられる文化はあるだろうか。

それがする必要のない中断だったと判明したときに、呼びかけた人をからかったり、「間違ったな」と責めたりしていないだろうか。

それでは、いずれ誰も意見を言おうとしなくなる。そんな文化を変えるために、何ができるだろうか。デビッド・マルケ氏の著書『最後は言い方』より、そのヒントを紹介しよう。

「任務をやり遂げる」ことで頭がいっぱい

産業革命期に生まれた、上司=決断する人、部下=実行する人、という仕事の配分は、決断する人が少数で、大半は実行する人というものだった。

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問題は、この分断によって、実行だけを担う人が生じてしまうことだ。

実行することに入りこんでしまうと、人は、「自分の能力をまわりに証明したい」という思考心理や、「自分の無能さが露呈することから自分を守りたい」という思考心理に陥りやすくなる。

そして、作業の完遂という目標にフォーカスが絞られ、視野が狭くなる。時間がないという切迫した感情や、やり遂げることへのプレッシャーも感じているかもしれない。

ようは、自分の任務をやり遂げることで頭がいっぱいになるのだ。

もちろんそれが正しい任務であれば問題ないが、そうでないことをやり遂げてもしょうがない。

そうして周囲が見えなくなり、「実行する仕事に取りつかれた状態」にならないように気を配る必要がある。

そのためには、作業の中断を提案したいときに誰でも使える言い回しや合図を事前に決めておくといい。

最初から「言い方」が決まっていれば、チームのメンバー、リーダーのどちらからでも、立ち止まって状況を見直す必要があると発信できる。

作業の中断を呼びかける合図の例をいくつか紹介しよう。

●「タイム」と言う。

●「ハンズオフ」と言う。

●イエローカードを掲げる。

●手をあげる。

中断は「レジリエンスの実践」である

私が艦長を務めた原子力潜水艦サンタフェでは、「ハンズオフ」というフレーズを使っていた。

最初のうちは、周囲に「ハンズオフ」と呼びかけることにためらいがあり、声をかけられた乗員は身構えることが多かったが、練習を通じて克服した。

練習の目的は、乗員がその言い回しに慣れて、中断を呼びかける行為を恥だと思わなくなることと、中断を呼びかけられたときの対処の仕方を身につけることだった。

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