ラーメン業界、働き方改革で続々新しい味が誕生 のれん分けをせず、チャレンジできる環境に
東洋経済オンライン / 2024年3月28日 12時0分
「ラーメン店経営においても、多様化の波が訪れていると感じます。あるラーメン店にお話を伺ったとき、入ってきたばかりの新人さんが、『僕は3年後には独立したいので、ここで3年間だけ勉強したいと思っています』と伝えてきたそうです。その新人さんは、3年でいなくなる可能性が高い。反面、3年間は働いてくれるから、その間はお店としては計算が立つ。ドライな契約関係のうえに成り立つ雇用が散見されています」
これまでなら、店主(創業者)からお墨付きをもらって独立する、あるいはお店に骨をうずめるといった働き方が珍しくなかった。しかし、「ラーメン業界にも、キャリア形成を考えて参入する人が増えているのではないか」と、赤池さんは語る。
「テレビ業界も、ずいぶんと変わりました。僕らが若手の頃は、先輩が何かを教えるということはなくて、盗んで覚えることが当たり前でした。ですが、今は違います。ラーメンの世界も、時代とともに変わります。今は、副業的にラーメン店を経営したり、異なる分野の飲食店がラーメンを提供したり、いい意味でチャレンジできる土壌や環境ができあがっているではないかと思います」
そして、多様化を後押しする背景として、SNSの存在も忘れてはいけない。
「ラーメンとSNSは、とても相性がいいです。X(旧Twitter)、Instagram、YouTubeのショート動画、どれをとってもラーメンの魅力を伝えやすい。また、拡散されることで、郊外や遠方にお店をオープンしたとしても、味が良ければ評判が評判を呼び、集客が可能となる。湯河原にある名店『飯田商店』初の公認独立店『Ramen FeeL』は、青梅市にあるのですが、その味を求めてお客さんが殺到する予約困難店となっています」
ラーメンそのものが、SNSという媒体を介してメディア化しているとも言える。それだけに、「SNSと差別化を図り、テレビならではのラーメンの魅力の伝え方を考えないといけない」と、テレビマンの顔になってポツリとこぼす。
新しい形のラーメンロケ
これまで赤池さんは、ドラマ『ラーメン大好き小泉さん』や、『ラーメン二郎』の創業者である山田拓美さんに密着したNONFIX『ラーメン二郎という奇跡 ~総帥・山田拓美の“遺言”~』などを手掛けてきた。
「テレビだからこその付加価値を考えた結果、あえてドラマやドキュメントとして届けようと思いました。ありきたりなラーメンバラエティ番組では、僕自身、納得ができないんです。BSフジで放送する『有田哲平の休日はラーメン連食』(3月29日)は、そうした思いから手掛けた番組でした。
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