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ポール与那嶺氏語る「日本企業が世界で戦う鍵」 ポール与那嶺さんにインタビュー(後編)

東洋経済オンライン / 2024年3月29日 11時0分

その影響のためか、私たち日系3世は暗に、目立たないほうがいいよというインダイレクトなメッセージを強く受け止めてきたように感じています。

企業で言えば中間管理職、医師や弁護士がとても多い。実際、私がセントラル パシフィック バンクのCEOになったときに、アメリカの上場企業で日系人のCEOは私ただ1人でした。信じられないですよね。

3世というのは戦争の影響もあったと思いますが、ある意味抑えられていたのではないかと思うんです。それと比べて、4世、5世となると背負うものがない。すごく明るくて非常にナチュラル。われわれから見ていてスッキリします。

うちの子供たちも肌の色の違いなど関係なくわいわい仲良くやっていて、そんな姿を見ると嬉しくなりますね。

―――ダニエル議員やお父様が日系人のために、という思いで奮闘したような力はこれからの世代には生まれにくい面があると思うのですが、日系コミュニティーの若い世代に何を期待しますか。

確かに、私たちより上の世代に比べて日本のルーツへの意識は薄いですよね。だけど運よくアメリカでは日本ブームで、マンガ、アニメ、和食が人気で、日本への関心が高まっています。

それで一昨年の米日カウンシルの会合では、40代以下の50人を日本に連れて行くプログラムを開催したのですが、ユニクロの柳井正さん、サントリーの新浪剛史さんら、みなさんが時間を割いて会ってくださり、非常に感激しました。

若い人たちは関心がなければ何事も始まらないわけですから、あとは自分のキャリアに関して意味がある活動であればやる気が出ますし、著名な経営者にあって接点を持ってくれるとみなさんやる気が出ますよね。4世、5世は日系コミュニティーのホープだと思っています。

高い位置からではなく、一緒に次の世代を育てる

―――若い世代にとってもビジネスで直接つながる機会をつくることがより重要になってきますね。

日系コミュニティーを支えていくときに、若い人にとってどんなメリット、ベネフィットがあるのかを示すことが大切だと思っています。ソーシャル・キャピタリズム、つまり「社会的資本主義」ですね。社会貢献しながら資本主義を維持する。やはり両面見ていかないといけないわけです。

それをどう実現していくか。日系人に対しては、君は日本人だからこうしなくちゃいけないんだという説明だけではうまくいかない。高い立ち位置で、若い人にはわからないよねと言わずに、竹中征夫さんが私にしてくれたように、私たち大人が、こうしたら海外に行ける、いろいろな人と交流できるよと紹介したり教えたり、手伝わなきゃいけない。

グチだけ言って期待するのは違いますよね。一緒になって次の世代を育てていくことが重要ではないかと思っています。

座安 あきの:Polestar Communications社長

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