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希代の起業家が伝授「新規事業の成功」見極める技 その提案は多くの人の「痛み」に寄り添えているか

東洋経済オンライン / 2024年4月5日 17時0分

物事の「解決策」にばかり目を向けている提案では共感を得られないという(写真:mapo/PIXTA)

2つのユニコーン(創業10年未満、評価額10億ドル以上の未上場企業)を生み出し、グーグルに11.5億ドル、インテルに10億ドルでイグジットしたユリ・レヴィーン氏。希代の起業家が提唱するスタートアップの基本的な考え方は「問題に恋する」ことだと言います。そんなレヴィーン氏がこれまでの経験や思考の軌跡をもとに、新規事業を成功につなげる方法を解説します。

※本稿はレヴィーン氏の新著『Love the Problem 問題に恋をしよう ユニコーン起業家の思考法』から一部抜粋・再構成しています。

解決に値する「大きな問題」を見つける

まずは、問題を見つけることからはじめよう。解決に値するだけの問題、そして、解決できた場合には、よりよい世界になるような問題だ。

【図】「解決策」からではなく「問題」からスタートする起業のイメージ

それから、「その問題を抱えているのは誰か?」を考えてみよう。

答えが「自分だけ」なら、その問題に取り組むのはやめておこう。解決に値しない問題だからだ。

地球上であなた1人しかその問題を抱えていないなら、精神科医に相談するほうがいい。そのほうが、スタートアップを立ち上げるより、ずっと安くすむ(しかも、おそらく早く解決できる)。

一方、その問題を抱えている人がたくさんいるなら、その人たちのところへ行って話を聞き、問題をどのように「認識」しているのかを理解しよう。解決策を作るのは、それからだ。

この道筋に従ったうえで、解決策が最終的に機能するものとなったら、価値を生み出せる。その価値が旅の本質となる。

しかし、解決策からはじめると、誰にも気にかけてもらえないものを作ってしまう危険がある。そこに労力や時間、お金を注ぎ込んでしまうと、がっかりするはめになるのは間違いない。

実際のところ、多くのスタートアップが消える理由は、PMF(プロダクトマーケットフィット)を達成できないからだ。PMFを達成できない理由は、問題ではなく解決策にばかり目を向けているからなのだ。

問題からはじめる理由は、価値を生み出せる可能性が高くなる以外にもたくさんある。1つは、起業家が紡ぎ出すストーリーが、ずっとシンプルで人の心をつかむものになるからだ。

ストーリーを聞いた人は、起業家が抱く不満を理解し、共感してくれるようになる。

「問題に恋する」ことで生まれる魅力的なストーリー

問題に恋をしている会社は、「この問題の解決に向けて、前進しているか?」と、日々自らに問いかける。「これが私たちの解決する問題です」とストーリーを語り、さらにすばらしい場合には、「私たちは、◯◯な人が、□□の問題を避ける手助けをします」と、ターゲットや問題をさらに絞り込んでいる。

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