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妖精に扮す社長が売る「国産きくらげ」の希少価値 箸を持つ手が止まらない「きくらげラー油」

東洋経済オンライン / 2024年4月6日 12時30分

きくらげの妖精“けっぴー”。「木耳のお店」の近くにあるきくらげ栽培のハウス内にて(筆者撮影)

わりと頻繁に食べているにもかかわらず、これまで意識したことがなかった食材がある。それがきくらげだ。そう、中華飯に入っている黒いアレだ。きくらげそのものに味や香りはほとんどなく、あるのは食感だけ。ゆえに好きでもなければ嫌いでもないという人も多いだろう。

【写真】箸を持つ手が止まらない!きくらげの佃煮「きくらげラー油」「きくらげしそ高菜」「きくらげ高菜ラー油」各990円

箸を持つ手が止まらない「きくらげラー油」

ところが、きくらげに対する概念が筆者の中でガラリと変わった出来事があった。それは昨年11月、取材で訪れた愛知県東三河エリアのアンテナショップ「豊穣屋」で「きくらげラー油」なる瓶詰めを購入したのがきっかけだった。

愛知県豊川市で栽培されているきくらげを使ったラー油仕立ての佃煮だ。炊きたてのご飯はいうまでもなく、ラーメン、とくに担々麺にのせると箸が止まらなくなるほどうまかった。特筆すべきはプルンとした食感。筆者がこれまで食べていたきくらげとはまったくの別物だったのだ。

それにしても、なぜ、きくらげに着目したのだろうか。「豊穣屋」で取材に対応してくれた「木耳のお店」のスタッフできくらげの妖精、あっぴーさんによると、「社長の喚田が国産のきくらげの美味しさに感動して、その魅力を伝えたいと思ったのがはじまりです」とのこと。

どうしても喚田社長と会って話が聞きたくなり、豊川市へと車を走らせた。「お店」というだけに直売店があると思いきや、カーナビを頼りに到着したのは、ビニールハウスが建ち並ぶ一角にある工場のような建物。

看板には「就労継続支援B型事業所 グリーンフィールド」とある。就労継続支援B型事業所とは、障害や難病で一般企業に就職するのが難しい人に対して就労や生産活動等の機会の提供や訓練、支援を行う事業所である。

「きくらげで日本一になる!」と宣言

本当にここが「木耳のお店」なのかと思い、中に入ると、大勢のスタッフがきくらげの選別やパック詰めの作業をしていた。その中で親しげにスタッフへ声を掛けていたのが「木耳のお店」の社長、喚田恵子さんだった。

「もともと夫が経営するグリーンフィールドで乾燥きくらげの販売をしていて、私もそれを手伝っていました」と、喚田さん。

筆者と同様に、当初はきくらげについて何も知らなかったが、興味を持って調べているうちに、国内で消費されているきくらげの99%は中国から輸入していることを知った。また、食物繊維やビタミンD、コラーゲンなど栄養価も高く、何よりも国産きくらげの美味しさにハマった。

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