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「京大3浪4留」それでも人生肯定する彼女の勇気 高校中退し高卒認定受けて受験、今の話も聞く

東洋経済オンライン / 2024年4月7日 7時0分

浪人しているときは、大学に進んだ友達がものすごくうらやましく恨めしく見えてしまうけど、みんなどこで苦労があるかわからないし、大人になればなるほど事情が出てきます。他人の外側だけ見てうらやむのはやめようと、浪人を経て思えるようになりました」

また、浪人してよかったことを聞くと、「自分の人生と向き合えた」、頑張れた理由については、「人のおかげ」と答えてくれました。

「浪人は、社会に出てから味わう理不尽とは違って、自分で起こしてしまった苦労と向き合う時間だと思います。18、19歳という自分自身の足で歩ける、少し心が強くなった時期に、自分の責任で、自分の人生がダメになってしまう出来事を経験し、それを乗り越えたおかげで、人生に胸を張れるようになりました。

でも、きっと自分の気持ちだけだったら折れて立ち直れなかったと思うので、この期間を支えてくれた両親や、予備校の仲間、お世話になった先生方には感謝しています」

ただ、3年遅れで大学に入ってからの生活は、必ずしもいいことばかりではありませんでした。

演劇サークルに入って活動をする反面、燃え尽き症候群になって勉強に身が入らなくなったそうです。また、年齢も隠し、周囲には「1浪」と話して4回生まで生活を送りました。

「当時の私は、年齢をとにかく気にしていました。1浪ということにして、私のことを知っている人には言わないように箝口令を敷いていましたね。

男子大学生の中には1回生の女子には優しいのに、2回生になると冷たく扱う人が少なからずいるので、年齢を隠してよかったと思うことはたくさんあります。一方で、自分の中では、自分の歩いてきた道なのに、堂々と人に伝えられないというモヤモヤ感がずっとありました」

ようやく3浪だと明かせるようになった

もともと高校でも不登校になっていた彼女は、「ナイーブで、うつっぽくなるときもある」と自ら語りますが、大学生活での人間関係でもストレスを感じることが多かったそうです。留年をして、双極性障害の診断を受け、現在もその病気と向き合っています。

一方で、留年と病気で5回生になり、同期が卒業したこのタイミングでようやく3浪したことを人に伝えられるようになったようです。

現在京大8回生になった竹末さんは、自分や知人の多浪生の経験を伝えるため、京大多浪交流会の代表として、多浪生の合格体験記『浪人百万遍』を発刊する活動をしています。

「かつて自分がほしかった多浪合格の情報誌でありながら、執筆者自身にとっても自分の人生経験を俯瞰するカタルシスの場にしたい」という思いで制作を始めたそうです。

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