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韓国総選挙・与党大敗なら日韓関係にも悪影響 失政はないが人気もない尹錫悦大統領の存在

東洋経済オンライン / 2024年4月9日 12時0分

2024年3月末、ソウル市内の教会で講演する尹錫悦大統領(写真・Yonhap News Agency/共同通信イメージズ)

民心。

日本語でも使われなくはない言葉だが、韓国では選挙を迎えると文字通り毎日、テレビなどで繰り返し見聞きすることとなる。民心=有権者たちからの支持を少しでも多く集めるべく、遊説で各候補のボルテージはいっそう高まる。

2024年4月10日投開票の韓国総選挙を前に、4月5日と6日に期日前投票が実施された。これに合わせて新たな世論調査の発表は選挙終了まで禁じられるため、土壇場での民心は把握しにくくなる。

ただ、これまで報じられてきた各種世論調査をみる限り、尹錫悦(ユン・ソンニョル)大統領を支える保守系与党「国民の力」は劣勢を強いられている。

改選前でも300議席中「国民の力」は113議席で少数なのだが、それがさらに減り、進歩系最大野党「共に民主党」を中心とした野党側が200議席にも達する圧勝をするのではないか、という見方も飛び交う。

与党・刺客を送り込んでも…

「国民の力」は知名度が高い候補をあえて「共に民主党」が伝統的に強い選挙区に「刺客」として送り込むなどしているが、苦戦を強いられるケースが目立つ。

例えば、日韓関係改善の立役者の1人、朴振(パク・チン)前外相はこれまでの地盤であったソウルの江南から漢江の北にある西大門区に移って出馬した。

彼が選挙区内の大学を訪れた様子を間近で見ていたが、若者が集まってくるでもなく、自ら学生が運営する売店で飲み物を注文し、しばし歓談する程度であった。

陣営の広報カメラマンは、「外相まで務めたといっても、これまで縁のなかった選挙区に移ると実働部隊はいないも同然なのですよ」と声を潜めた。

朴振前外相の遊説に盛り上がりが欠ける様子からも野党側が大勝する可能性は垣間見えたが、一方で、ずっと抱いてきた疑問もある。

尹錫悦政権の支持率は、2022年5月に発足以来30%台という低空飛行を続けている。総選挙で与党が苦しいのも尹政権の評判が悪いことが最大の理由なわけだが、では、尹政権に大きな失政があったのかというと、ないのだ。なぜ、そこまで民心が政権から離れっぱなしなのか、腑に落ちないのだ。

もちろん、「尹政権は『検察独裁』だ!」と声を荒らげる進歩(革新)系野党の熱心な支持者たちは、失政続きだと主張する。物価高や成長率の低下、さらには大統領の金建希(キム・ゴニ)夫人をめぐる複数の騒動(例えば高級バッグを無償で受け取る場面が隠し撮りされた)まで、あらゆる問題で尹大統領の責任を問う。

政策のせいで人気を落としたわけでもなく…

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