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「鉄路の夜明け」は路面電車、高知ご当地鉄道事情 0系新幹線の「そっくりさん」が走る絶景路線も

東洋経済オンライン / 2024年4月10日 6時30分

高知市内のはりまや橋交差点では、とさでん交通の路面電車が平面交差する(撮影:鼠入昌史)

かつて、四国に入る方法は船しか存在しなかった。宇野から宇高連絡船を使って高松へ。また和歌山と徳島、広島と松山を結ぶ航路などが代表格だろうか。

【写真を見る】どれだけ知っている?高知県内を走る鉄道路線。にぎやかな市街地の路面電車、絶景の中を行く1~2両編成の列車

いまでもこうした航路の多くは現存していて、乗ってみればそれなりにたくさんのお客でにぎわっているものだ。とくに瀬戸内の航路は、いまも昔も西日本の大動脈である。

高知を目指す特急「南風」

ただ、いまではほかの地域から四国に入ろうとすれば、いちばん便利なのは飛行機、または本四連絡橋ということになろう。なかでも岡山と香川を直結する瀬戸大橋は、道路交通はもとより鉄道も通る、本四連絡随一のルートになっている。

瀬戸大橋線に乗って四国に入ると、そこから先の行き先は三手に分かれる。快速「マリンライナー」ならば香川県都の高松へ。特急「しおかぜ」は瀬戸内海沿いを走って愛媛県は松山へ向かう。そしてもう1つ、険しい四国山地をまっすぐ南に抜けて高知を目指す特急「南風」がある。

この土讃線特急「南風」は、四国山地の真ん中で徳島県を経由し、大歩危・小歩危の渓谷を抜け高知県に入る。

といっても、しばらくは吉野川上流の山の中。くねくねと山中を走り続け、ようやく土佐山田駅付近で車窓が開けると、ほどなく県都のターミナル・高知駅へ着く。岡山―高知間はおよそ2時間30分の、在来線特急の旅である。

高知県は、四国にあって唯一(といっても四国には4県しかないのですが)、本州や九州のほかの地域と向き合わない。桂浜の向こうには、茫洋たる太平洋が広がるばかりだ。その意味では、まるで陸の孤島のような地理的条件を抱えている。

高知の人々は、いつのときも太平洋の大海原を見つめていたのだ。それが、幕末から維新期にかけて先進的な人物を多く輩出したことにつながっているのだろうか。

三セクの土佐くろしお鉄道

そんな高知だが、鉄道という点ではいささか恵まれていないといっていい。通っている主要路線はただ1つ。特急「南風」が走る土讃線である。土讃線は、高知駅からさらに西に向かって延びており、終点は窪川駅だ。ここから先は第三セクターの土佐くろしお鉄道の線路が続き、“土佐の小京都”中村や宿毛といった県南西部の諸都市へと通じている。

土讃線高知―窪川間や土佐くろしお鉄道区間を含め、ここにも特急が走っている。その名も特急「あしずり」。四国最南端の足摺岬にちなんだネーミングだ。ほとんどが中村発着だが、1日1往復だけ宿毛駅発着の「あしずり」も。また、かつては多くの列車が高知駅以北、すなわち岡山方面へと乗り入れていたが、現在は1日上り1本の特急「しまんと」が、宿毛―高松間を長駆結んでいる。

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