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サラリーマンよ、昭和の一社懸命はもうやめよう 「物価と賃金の好循環」へのいちばんの近道とは

東洋経済オンライン / 2024年4月13日 8時30分

* 客の節約志向は変わらず、来客が割引デーに集中しているため、平日の来客数が伸張しない状況である。客が買い物する日を決めている感じで、割引デーでのまとめ買い傾向が強い。ハレ型商品も伸張せず、安価なプライベートブランド商品の構成比が挙がっている(中国・スーパー)。

* 物価上昇の影響で来店頻度が減少しており、必需品以外の買い控えが顕著になっている。価格に敏感になっているためリーズナブルな商品が動いており、全体の底上げにはなっていない(コンビニ経営者)。

ラーメンの「脳内1000円の壁」は打ち破られるべき

真面目な話、筆者も3月末にビールやウイスキーを買いだめしようかと思ったところであった。全国津々浦々の生活防衛意識が、いかに強くなっているかを痛感させられるコメントが並んでいる。

思うに物価高とは、お財布を直撃するだけではない。われわれの頭の中には「脳内価格」とでも呼ぶべきものがあって、「これはこの値段」というだいたいの水準ができあがっている。それを大きく上回る料金を支払うと、「こんなはずではない!」という拒否反応が生じてしまう。メンタルなストレスが溜まってしまうのだ。

一例を挙げれば、最近は「ラーメン一杯1000円」を超える店が増え始めた。行列ができる店、豪華トッピングが売りの店、店主のこだわりが詰まった店であれば、確かにそれもアリだろう。そして最近は、円安メリットを享受している外国人観光客が、日本のB級グルメに関心を寄せている。彼らにとってみれば、「こんな値段で、チップも要らないなんてもうサイコー!」といったところだろう。

一方でラーメン屋の倒産や休廃業が増えている。東京商工リサーチによれば、昨年1年間のラーメン屋の倒産は45件となり、前年比2.1倍になった。「休廃業および解散」も増えていて、いずれも2009年の調査開始以来、もっとも多くなったそうである。

つまりラーメン業界ではスクラップ&ビルドが始まっている。小麦や豚肉などラーメンの具材はもとより、光熱費や人件費、水道代までが上昇している。

となれば、ラーメンにおける「1000円の壁」は打ち破られるべきであろう。そうじゃないと、「物価と賃金の好循環」が実現しないことになる。とはいうものの、「ラーメンは庶民の食べ物」との思いも強いし、実際に値上げを我慢しているお店もある。そして「脳内価格」が断固として「ノー!」と言っている場合、無理に支払うのは精神衛生上もよろしくない。

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