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「リッチモンドホテル」でロイホが食べれる深い訳 確かな美味しさと個性あふれるメニューのルーツ

東洋経済オンライン / 2024年4月16日 11時40分

つまり、偶発的だったのだ。ちなみに、同じくテナントに入っているという理由から、ライバル的存在であるガストや、居酒屋で朝食を提供しているリッチモンドもあるそうだ。

どて煮から日本酒まで。19ホテル全部違う

ロイヤルホストやシズラーでの朝食もすごいが、リッチモンドは直営レストランで提供する朝食ビュッフェにも、並々ならぬこだわりがある。しかも、ホテルごとに半分はご当地メニューを取り入れているため、提供する19軒それぞれに内容が異なる。

「ぜひ自慢の朝食を体感してほしい」との勧めで『リッチモンドホテルプレミア京都四条』に宿泊したところ、想像を越えた“ご当地の味”に圧倒された。

「にしんと茄子のたいたん」などのおばんざいはもちろん、ライブキッチンで作りたてを提供する京風だし巻きに焼き鯖寿司、聖護院大根や西京味噌のドレッシング。朝食のテーマを「京イタリアン」に設定しており、ゆばのオリーブオイルがけといった創作系メニューも目を引く。他方、鉄板で焼き上げるローストポーク、ミネストローネなど洋食も充実していた。

また各料理は陶芸作家が制作した小皿に盛り分けられており、ゲストが京格子のすかし箱に取り分ける演出も旅情を誘う。なかでも目が釘付けになったのは、3種の「モーニング日本酒」だ。

朝食に日本酒とは、いったい誰が考えたのか。尋ねると、「ご当地メニューは、各ホテルの社員とアルバイトのアイデアを取り入れて、スーパーバイザーを中心に本部のチーフコックが考案しています」との答え。なるほど、現場の声が個性を生んでいるのだ。

そのほかにも、なんば大国町のリッチモンドではたこ焼き、串カツ、どて煮、肉吸い。浅草では、生オレンジにストローを刺して提供する搾りたてジュースにローストビーフと、各ホテルの個性が際立つ。

これらのメニューのうち、ベーシックで共通する料理はセントラルキッチンで製造するが、ご当地メニューは各ホテル内のキッチンで調理している。

ただ、そこで提供する食材や調理工程には、安心安全とおいしさの観点から、厳格なルールが何十も整えられているため、準備にはかなりの労力と手間暇がかかっているそうだ。

宗像氏は、「正直大変ですが、『お客さまに美味しく食べていただくためにはこれが必要なんだ』という想いが企業文化としてあり、当然だと思っています」と笑顔を見せた。

その言葉を裏付けるのが、2023年に6ホテルで行われたレストランの改装だ。キッチンを中央に設置、鉄板を入れるなど、ライブキッチン仕様に変更が行われた。早速、広島・福山はお好み焼き、宇都宮は餃子など、鉄板で焼き上げるメニューを増やしている。リッチモンドの朝食は、さらなる進化を続けているのだ。

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