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「リッチモンドホテル」でロイホが食べれる深い訳 確かな美味しさと個性あふれるメニューのルーツ

東洋経済オンライン / 2024年4月16日 11時40分

なぜ、そこまで朝食にこだわるのか

筆者は15年以上ホテルを取材しているが、グループで半分以上のメニューが異なるほど、朝食にこだわるビジネスホテルは記憶にない。なにがリッチモンドをそこまで駆り立てるのだろう。

「ひとえに差別化のためです。宿泊特化型ホテルは、客室やサービスにほとんど差がありません。リッチモンドの客室フォーマットはシングルで18㎡、140cm幅のベッド、広々としたデスク周りです。開業当初はそんなビジネスホテルはありませんでした。

ですが、いつしかそれが業界標準になり、ハード面の優位性がなくなったのです。だからこそ私たちは、朝食の重要性が高いと認識しています」

客室に差がないならば、何で優位性を持つか。飲食にルーツがあるホテルだからこそ、食とサービスで差別化を図ろう、と考えたのだ。宗像氏は、自身も言葉を噛みしめるように、「リッチモンドにとって、食は切っても切り離せない命綱のようなもの。私たちは、食と人の価値をどう提供していくかで勝負しています」とその決意を語った。

リッチモンドの昨年度の稼働は、全国平均75.2%と非常に高い。この結果が、戦略の結果を物語っているのではないか。

だがそうは言っても、海外の大手ラグジュアリーブランドの「宿泊特化型ホテル」が相次いでオープンするなど、ホテル業界はますます戦国時代だ。さきほど登場した『リッチモンドホテルプレミア京都四条』は2022年3月、そんなさなかに実験的なブランドとして立ち上げられたホテルだ。

現在のリッチモンドと未来を結ぶ新ブランド

以下は筆者が『リッチモンドホテルプレミア京都四条』で体験したことを綴る。同ホテルでは、チェックイン時に勧められてソファに座ると、宇治の玉露か日本酒どちらかのウェルカムドリンクが提供される。

朝食会場でもある、開放的で広々とした「プレミアムラウンジ」では、13~21時にソフトドリンク、デザートを。15~17時には、それに加えてケーキやスイーツを。17~20時には地元の日本酒、ワイン、クラフトビールなどのアルコールと、生ハム、おつまみなどを提供している。そして、これらすべてが無料だ。

客室はほとんどがツインで、その広さは、一般的なツインの倍はある。インテリアもスタイリッシュで、スーツケースが収納できる大型クローゼット、独立洗面台、オーバーヘッドシャワーが付いたバスルーム、さらにはレコードプレーヤーの設置など、ラグジュアリーホテルに負けず劣らぬ仕様になっている。すべてが、「ビジネスホテル」という枠を越えていた。

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