YouTuberの論理がZ世代に与える絶大な悪影響 苦言を呈する「アンチ」に「アンチ」する世界観
東洋経済オンライン / 2024年4月17日 11時40分
若者は単純に経験に乏しい。だから、無知ゆえの無礼を働くこともある。それは仕方ない。しかしそれでも、「なぜそんな行動をとるのか」「なぜそんな受け取り方をするのか」など理解しがたいことが、若者と接する場面では多々起きるはずだ。会社で若手社員と接していて気疲れしている方も少なくないだろう。
企業組織を研究する東京大学の舟津昌平氏は、それは単に若者が悪いとかおかしいという問題ではなく、もっと違う原因――たとえば入社までを過ごす学校や大学の在り方、就活や会社をはじめビジネスの在り方、そして社会の在り方が影響した結果であると主張する。
本記事では、舟津氏の著書『Z世代化する社会』より一部抜粋・再構成のうえ、Z世代に影響を与えているYouTuberの特に倫理の論理について、その問題点を浮き彫りにする。
インフルエンサー、そしてアンチ
「推し」という概念は、現代にすっかり定着した感がある。そして現代の若者――Z世代――にとって「推し」の対象はアイドルだけではない。昨今話題にのぼるYouTuberやインフルエンサーについても、誰かしら「推し」がいるのがふつうになってきている。
そしてZ世代は、YouTuberやインフルエンサーから、たくさんのことを学んでいる。勉学に限っても○○大学と名乗るチャンネルや、勉強法や資格試験の対策動画も充実していて、もはやYoutuberは一大教育コンテンツである。若者にとって大学の先生よりもよっぽどわかりやすくて、信頼できる身近な存在なのだろうとも思う。
さらにZ世代に人気のYoutuberやインフルエンサーは、われわれからは「見えない」存在だ。誰々っていうYouTuberが流行っていると聞いても、なかなか目にする機会がない。
「パーソナルレコメンデーション」が高度化し、好みや年齢が異なるわれわれのYouTubeにはレコメンドされないからだ。レコメンデーションによって、Z世代とそれ以外とでは、意外なほどに情報の分断が起きている。
さて、YouTuberやインフルエンサーには共通の符号がある。「アンチ」である。
たとえば、インフルエンサーが何か悪いことをするとしよう。不倫したとか、コロナ禍なのに飲み歩いたとか、誰かの悪口を言ったとか……そんなことどうでもええやん、てなことでも、すぐに炎上する。現代の有名税である(とんでもない重税だ)。
この記事に関連するニュース
-
なぜ大人は若者に「合わせる」ようになったのか 成熟という価値観を喪ったデオドラント化社会
東洋経済オンライン / 2024年6月26日 11時0分
-
もし、SNSが「ある/ない」時代に学生期を送ったら Z世代と非Z世代とでつくられた「Z社会」の構造
東洋経済オンライン / 2024年6月14日 10時0分
-
TikTokで話題のウォニョンイズムとは? 大人気KPOPアイドルの影響が秘める危険性…大人の美の基準にとらわれるティーンエージャーたち
集英社オンライン / 2024年6月10日 17時0分
-
【Simejiランキング】Z世代が選ぶ!!「塾講師になって欲しい有名人TOP10」
PR TIMES / 2024年5月30日 14時45分
-
上司の気難しい表情すら管理する社会の結末 Z世代の不快を消す「デオドラント化」の限界
東洋経済オンライン / 2024年5月29日 9時30分
ランキング
-
1スーパーで無料提供されている「割りばし」を大量に持って帰るのはあり?無料とはいえマナー違反になる…?
ファイナンシャルフィールド / 2024年6月26日 2時10分
-
2売上2兆円、ドン・キホーテ創業者が「日本経済を決定的にダメにした」と断言する“A級戦犯”とは?
文春オンライン / 2024年6月26日 6時0分
-
3談合問題で揺れる…中部電力の株主総会で勝野会長らが株主に謝罪 コンプラ遵守など再発防止に取り組むと説明
東海テレビ / 2024年6月26日 17時45分
-
4日経平均は3日続伸、半導体関連が押し上げ 約2か月半ぶり高値
ロイター / 2024年6月26日 15時43分
-
5新NISAで人気の「NTT株」が5月から急落した深層 個人株主は急増も、海外投資家と思惑のズレ?
東洋経済オンライン / 2024年6月26日 8時10分
複数ページをまたぐ記事です
記事の最終ページでミッション達成してください