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「1浪早大中退」学歴捨てた彼が歩む"VTuber"の道 予備校の寮生活を通して人生観が変わった

東洋経済オンライン / 2024年4月28日 8時0分

ナポ・レボリューションさんが浪人を決意した理由は「やりたいことだけやりたい」と思ったことが大きかったそうです。

「そもそも私は大学に行きたいわけではありませんでした。母親が私に対して『すごい子どもであってほしい』という期待が大きかったのがあります。親が1浪まではしてもいいと言っていたので、その間にしっかりと勉強をして、親を納得させる大学に入って、家を出てしまえば、自分が好きなことができると思っていたんです」

自由に自分の人生を生きるためには、京都大学に行くことが大事だと考えたナポ・レボリューションさん。通学圏内に予備校がなかった彼は、予備校の寮に入り、親元を離れて勉強をする決意をします。

ところが、この寮生活が相当きびしくて精神的に堪えたことと、そこで目の当たりにした周囲の環境が、彼の人生観を変えたそうです。

「寮での生活はめちゃめちゃしんどかったです。浪人の前半はとにかく詰め詰めで勉強したのですが、模試の成績が全然上がらず、むしろ下がっていました。

もともと家で勉強していたときは、勉強が嫌いではなかったのですが、寮に来てからは漫画を読んだり、ちょっとアニメを観たりすることすらできない環境だったので、余裕がありませんでしたね。浪人生活の後半は、土日に散歩したり、銭湯に行ったりして、休みを挟むようにしたのですが、そのほうが成績が上がりました。自分で勉強できる人からすると、管理される寮生活は向かないと思います」

恵まれた環境で育った友人たちのつらさを知る

そうした鬱屈した環境の中で、彼は一緒に過ごす寮の仲間たちの様子を見ながら、人生について考えたそうです。

「予備校の寮に入っているのはほぼ医者の息子で、医学部志望の浪人生でした。私は貧しい家庭の多い地域で育ったので、裕福な家庭の子どもたちとの交流があまりなかったのですが、寮生活で初めて恵まれた環境で育った人たちも苦しいんだと思いました。

貧しい家庭でも、裕福な家庭でもつらいのだと思い、『幸せとは何か』を突き詰めて考えたら、やっぱり自分がやりたいことのために頑張ることだなと思ったんです。

それまでもそう思っていたのですが、普通のレールから外れる浪人で、そういう人たちに会って、物事を俯瞰して見られるようになったから、いい大学を卒業して、いい企業に入る既定路線の人生とは違う道を目指そうと思いました」

優秀な寮の仲間たちは、浪人期間中も数学の成績が伸びずに苦しんでいたナポ・レボリューションさんにとって、自分との差を思い知らせてくれる存在であったとも語ります。

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