ゲーセン「大量閉店」の背後にある本質的な変容 「千円でだらだら」若者の消費欲を満たせてない
東洋経済オンライン / 2024年5月1日 12時0分
東京の場合、公園や広場などでだらだらする場所があまりなく、結果としてこうしたカフェがその受け皿になっている。筆者がこれに関するポストをXでしたところ、大きな反響があり、これは多くの人が思っていることのようだ。
若者にとって「せんだら」需要をどのように満たせるのかが重要であり、そこにうまく適応できている店が強みを持っていると感じている。
そして、この「せんだら」需要にうまく乗れていないのが、昨今のゲームセンターなのではないかと思うのだ。
実は、ゲームセンターの歴史をたどっていくと、そこは、若者にとっての「せんだら」需要を満たしていた場所だったことがわかる。ある時代まで、ゲームセンターは若者がぶらぶらと集い、コミュニケーションを取る場所として機能していたようだ。
加藤裕康は『ゲームセンター文化論』という本の中で、かつてのゲーセンが若者たちにとって、どのような場所だったのかを書いている。
この中では、ゲーセンに集った人々が、お互いのことをハンドルネームで呼び合い、また、ゲーセンの中にあった「ゲーセンノート」というノートの中で若者特有のコミュニケーションが生まれてきた様子が書かれている。
若者が集い、たむろする場所としてゲーセンがあったことがわかる。
さまざまな若者を受け入れ続けてきたゲーセン
もちろん、ゲームセンターと一口にいってもその歴史は古く、その中でさまざまに変化を遂げつつ、そのたびに客層を変えてきた。
1980年代には、「スペースインベーダー」(1978年)のヒットを受けて、ゲームセンターが増殖。一方で、その店内の薄暗さも相まって「不良の溜まり場」としてのイメージを強く持たれることになる。今でもSNSをたたけば、当時の暗かったゲーセンで不良にカツアゲされた思い出を書く人もいる。
治安という面では望ましいことではないが、あるタイプの若者たちの居場所にはなってきていたのだろうと思わされる(もちろん、不良ばかりがいたわけでもないが)。
そうした状況を受けて、1990年代以降は「アミューズメント施設」へと舵を切り、縦型のアーケードゲームやプリクラも増えてきた(先立つ1985年に風営法が改正されたことが大きい)。
すると、今度はプリクラを撮るために女子高生が集まる。また、1990年代から、いわゆる「音ゲー」も全盛期を迎え始め、凄腕の「音ゲーマー」がプレイする周りには、見物客が多く集まるようになった。ある種のコミュニケーションがそこから生まれ、「そこに行くだけでなんだか楽しい」場所として、ゲームセンターはあったと思う。
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